トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(32)
教育クリエイター 秋田洋和論集
独自に工夫させ新しい方法を試みさせる
「あと○分しよう」という発想をさせる~
私が見てきた限りでは、時間管理・時間配分がしっかりできている子は「あと○分」という考え方をします。「あと5分で休憩しよう」とか「あと1時間は勉強しよう」とか「あと3分で帰ろう」とか。
おそらく家庭でも同じように「あと15分でごはんよ」という会話がされているのではないでしょうか。普段から「あと15分あるから何して遊ぼうかな」と考えるだけでも、限られた条件の中で工夫して楽しみを見つける習慣が身につきます。
このように時間の目標を決めることで自分をコントロールしていく習慣を身につけていくことができる点から、この感覚の重要性は云うまでもありません。
それに対して、時間にルーズな子は間違いなく目標の設定をしません。勉強は始めたものの、ちょっと気が乗らないから休憩ということを平気でやります。
自習室に入ってわずか30分で買い物に出かけたり、途中で携帯をいじりだしたりする子どもたちは、「あと○分は勉強に集中しよう」という発想がないか、我慢ができないのかどちらかです。品格のある子どもに必要な感覚が抜け落ちていることは間違いないのです。
この子どもたちは、結果ダラダラと机には向かったものの効果はあがらず、締切までに課題を仕上げることができなかった、なんてことになります。そしてほとんどが「私なりに頑張ったんですけどぉ」と、笑ってしまうくらい同じ言い訳をするのも特徴です。この子どもたちは、どこに問題があるのかを本気で理解できていないのです。
この違いは、日常生活ではあきらめの早さの差につながります。時間管理ができる子は、どんな課題に対しても、粘り強く「まだまだ、もう少し」「あと30分で何ができるかな」という発想ができるようになります。現在の自分の条件の中で最善の手を考える習慣が身についていると、このようなメリットを生みます。
それに対して苦手な子は、とりあえずやってはみるものの、簡単に言えばいきあたりばったりの域を超えませんから、ちょっと困ったことがあると「わけわからないよ」とか「チョ~意味不明だし」と言い出し、課題を放棄する方向に走りがちです。小学生・中学生のうちからこの調子では、社会に出る頃にはいったいどれほどの大きな差になっているのでしょうか。
この「時間管理」の感覚は、残念ながらある日突然身につくものではありません。ある日朝起きたら、なんてことはありえません。厳しい言い方ではありますが、幼少期からの積み重ねであることは間違いないのです。
一度、親自身の時間感覚を点検してみることをお勧めします。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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