トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第三章 「中学受験」で品格をどう身につけさせるか(35)
教育クリエイター 秋田洋和論集
自分の経験をすべて正しいと思うな
成功体験で子どもの足を引っ張らない
ということで、この手の母親に間違いだと気づかせることがどれほどエネルギーを消費することなのか、ということは想像していただけることでしょう。とにかく自分の意見を曲げないわけですから。これが父親になると、もっと話がややこしくなるのです。
父親がからむトラブルのうち、2番目に多いものはこんな感じのやりとりになります(一番多いものは後述します)。
父「俺はこういう勉強のやり方で成功した。だがらお前もやってみろ」
子「(時代も違うし)そんなことできないよ」
父「なんで言った通りにできないんだ(怒)」
一番ひどい実例を挙げると、英単語を覚えるときに父曰く、「俺は辞書を利用し、単語を覚えたらそのページを破り捨てたものだ。だからお前もこうやれば覚えられる」と。子どもも母親も「今は英単語集もあるし、何より今は電子辞書の時代なんだよ」と説得しても聞かない。
という具合。父親(の多く)は、教育のことになるとどうしても自分の成功体験を基準に物事を考えてしまう場合が多いようです。普段の仕事の様子はともかくとして、こと教育となると冷静さを失い、「自分が成功した→(だから)→その方法・考えは正しい」とばかりに、自分の考えを押し付けようとしてしまいがちです。
品格ある子どもに育てたければ、日常のさまざまな場面で自分の考えをしっかり述べる環境を用意してあげたいものです。ところが、父親VS子どもの構図ではどうでしょう。
中学生で父親に対して「父さん、それ間違ってるよ」と言い返すことはなかなか難しいでしょう。ましてや小学生であればなおさらです。勉強・受験に関しては、父親(母親)の成功体験が子どもの足を引っ張ることも少なくないのです。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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