トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第三章 「中学受験」で品格をどう身につけさせるか(40)
教育クリエイター 秋田洋和論集
品格形成を阻害する敵になってはならない
~勉強時間を増やす=成績向上ではない~
このタイプの母親がそばにつくと、中学受験の場合、子どもはかなりの割合で壊れてしまいます。だから、もしもわが家が中学受験への挑戦を決めた場合には、妻にとっても子どもにとっても精神衛生上よくない状況が起こることは必至なのです。
それで中学受験はさせませんでした。「公立中へ行って上位1割くらいの位置にいれば、妻もカリカリすることがないだろう」と思っていたのですが。私が甘かったのです。
ある日、定期テストで学年1位を取って来た長男に対して、妻は、「次回はもっと勉強して連続1位を狙ってね」と声をかけました。長男も「えぇ~」という顔を当然するわけです。
私は、心の中で叫びました。「コイツ鬼だ!」と。おそらく、妻は自分自身が「勉強時間を増やす=成績アップ」でやってきたのでしょう。それがベストの勉強法と信じて疑わないところが、すごすぎるわけです。
前述した品格形成を阻害する意外な敵がこんな身近にいたわけです。
勉強に限らず、スポーツでも何でも、時間を増やせばさらに結果が出るなんて考えでは、100%子どもはつぶれていくことでしょう。
定期テストでさえこの調子。中学受験なんてやっていたら(恐怖)。ちなみに私は、
「次回のテスト準備は、今回の3分の2の時間に抑えてみな。その上で1位を狙ってみろ。その過程で自分の改善点が見つかるから」
と、妻と正反対の指示を出しました。その結果、長男は準備時間を減らして試験に臨み、少々順位を落としたのでした。
私は「今回の失敗を生かして次の準備を考えろ」として言わなかったのですが、妻は「それ見たことか」とばかりに私を責めるのです。
どうしてこう完璧を求めるのか?妻曰く、「あなたと中学生のときに同じクラスだったら、絶対に嫌いだった。そんないい加減な人は許せない(日常生活のルーズさも含めて)」だって。
私はそんなに悪者なのでしょうか?よっぽど「オレもだよ」と言ってやろうかと思ったのですが、それを言わないことが優しさであることに、いつ気づいてくれるのでしょう。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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