トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 夏休みは受験生も保護者も忙しくなります
教育クリエイター 秋田洋和論集
昔から「夏休みを制する者は受験を制す」と言われてきました。大学受験であれ高校受験であれ、そして中学受験であれ、この夏休みにどれだけ充実した勉強(質・量ともに)をこなすことができたかによって、秋以降の成績推移に大きな影響を及ぼすことはいうまでもありません。ただ保護者の皆様には、近年の高校受験生がこの夏休みにケアしなければならないことが昔よりちょっとだけ多いという事は知っておいていただきたいのです。具体的に言えば「この夏休みのうちに学校見学をして、志望校を概ね決定しておかなければならない」ということです。
かつての高校入試では、受験校決定の際には公立であれ私立であれ「偏差値による輪切り」が行われていたものです。受験生の希望はそっちのけで「あなたの偏差値は△△だから、受験するのは××高校あたりです」と、学校の先生も塾の先生も指導していました。そのため受験生の中には、一度もその学校を見学することなく受験し、そして入学することになった人も少なからずいたのです。これだと、どうしても学校になじめず結果的に退学となる場合があっても不思議ではありませんね。こういった誰も得をしないミスマッチを防ぐ必要があったこと、そして学校の現場から偏差値が消えたこともあって、現在では基本的に「受験生は自分の希望する高校を自分の意志で受ける」ことが前提になっているのです。
ということは、受験生の側にたって考えると「自分が進学する可能性のある学校を事前に研究しておく」ことが必要になります。「現在の実力で合格する見込みがあるのか」という点はもちろん、例えば「共学かどうか」とか「校風はどうか」といったことも、自分で調べなければなりません。
ですからこの夏休み中には、公立私立を問わず多くの高校で「学校公開・学校説明会」を行います。中学校によっては「必ず3校は見学に行って、どの高校に行ったか報告しなさい」という指示を出すこともあるようです。1校見学に行けば少なく見積もっても半日は使う必要がありますから、「夏が勝負」の受験生にとっては、けっこうな負担に感じられるようです。
そんな忙しい受験生(あるいは保護者)のために、いわゆる「合同学校説明会」も計画されています。
最も大規模な説明会として近日実施されるものとして、
彩の国 進学フェア
【会場】 さいたまスーパーアリーナ
【日時】 2009年7月18日(土)午前10時~午後5時
2009年7月19日(日)午前10時~午後5時
(予定:主催者発表の情報を確認してください)
があります。ここには埼玉県のほぼ全ての公立・私立高校、東京や千葉といった近県の私立高校もやってきます。それぞれ割り当てられたブースにおいて、学校の紹介を行ったり相談や質問に対応したりするのです。2009年は県内179校、県外99校が参加し、資料のみの出展校もあわせると305校(6/5現在)になるそうです。この会場に足を運べば、それぞれの高校に出向かなくても詳細を検討・比較するためのパンフレットを集められるし、気になる学校には質問が出来たりします。
私立中学を併設している学校では中学受験生向けの資料も用意しているので、中学受験を考えている人が足を運んでも充分情報を集めることは可能です。
こうした合同説明会ですが、他には
埼玉私学フェア「埼玉の私立中学・高校展」
【会場】大宮そごう
【日時】 2009年8月23日(日)
等も予定されています。受験生だけでなく、比較的時間に余裕がある中学1年・2年生やその保護者が足を運ぶのもよいと思います。
近年の高校受験は「情報戦」の色合いが濃くなっています。中学校で扱うことが出来る情報に限りがあるため、塾が持っている情報に頼るか、あるいは自分たちで情報を集めるかといった動きが必要になるのです。受験生には「勉強」という大きな仕事がありますので、どうしても情報収集は保護者の仕事になりがちです。こうした合同説明会を有効に使って、短時間で効率的に動くことをお勧めします。
~秋田洋和~
清和大学法学研究所客員研究員。
私立中学や学習塾への教育コンサルタントとしても活躍。
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