トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第三章 「中学受験」で品格をどう身につけさせるか(45)
教育クリエイター 秋田洋和論集
成長させるカギは「失敗を恐れるな」
~失敗から学ぶ感覚を持たせる~
前項の挑戦ということで関連した思い出すのは、オリンピック競技大会の国内立候補都市の選定です。2006年8月30日、2016年の第31回オリンピック競技大会の国内立候補都市は東京都に決定しました。
高校までをもうひとつの立候補都市である福岡で過ごした私としては、頑張れ福岡という気持ちを当然のように持っていたわけなのですが、やはり東京の壁は厚かったようです。巨象にアリが挑む(?)ような戦いで、新聞などでは福岡はよく頑張ったという論調も見受けられたのですが。
あえて故郷福岡に厳しめのエールを送らせてもらうと、
「結果が出ない努力は無駄な努力」
ということです。いつも私が生徒たちに言っている言葉をそのまま送りたいところです。
今回の挑戦が、本当に無駄で終わってしまうかどうかは今後の取り組み方で決まります。福岡が本当にオリンピック開催したいのであれば(もちろん財政状況などの要因はここでは無視)、今回の失敗を次回に活かして次回も次々回も立候補するべきでしょう。
・一度の失敗で落胆しあきらめるのか
・反省するべき点は反省し次に活かすのか
これは受験生の「模試の使い方」と同じで、
「失敗から学ぶこと」
に意義を感じることができるかどうかの違いです。この感覚を持ち合わせない限り、今回の経験はまったくの無駄に終わってしまうでしょう。
話は変えます。私は最近の子どもたちに対して、打たれ弱いという印象を持っています。
私が塾で教えている生徒たちの場合は、良くも悪くも図々しいところがあり、たとえ間違えても「じゃあ次」という姿勢が前面に出ているので心配していないのですが、いわゆるまじめと学校で言われる生徒の多くに、
・一度失敗するともうダメだ
・はじめから失敗を恐れて弱気
という雰囲気を強く感じています。投手が強打者を恐れて逃げ腰一辺倒の投球をしているイメージに重なるのですが、とにかく失敗を恐れている空気がプンプン臭ってくるのです。
これは、公開授業を見学しただけで感じ取れるものとは違います。自分で授業を行ってはじめて感じ取れるものです。具体的に言うと、質問に対する返答が自信なさげなのです。中学生であれば、
「うるさいくらい元気があってもいい」
というのが私の考えなのですが、とにかく声が小さく元気がない。ただし姿勢はいいし私語もない。端から見る限りではいい子でまじめな優等生に映る子どもたちです。
しつけが行き届いた良い子という評価の一方で、物事の価値基準を他者に委ね続けて、自分の考えに自信を持てないかわいそうな子という一面も持ち合わせています。
「間違えたって何も損することはないから堂々としなよ」と言いたいところなのですが、どうしてそんなに自信を持てないのでしょう。私などは、その生徒たちは答案にも自信なさげに書くのかな、と心配してしまいます。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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