トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第四章 品格を育てられる「学校と先生」の条件とは?(50)
教育クリエイター 秋田洋和論集
生徒の伸びを止める学校も存在する
~生徒に訴えかけない先生と危機感に欠ける学校 ~
とても授業とは言えないお粗末な内容、勉強しようという姿勢を育てない教師たち、外部の声を拾おうとしない学校の姿勢。私が見たものは、まさにマスコミにたたかれる学校そのものだったというのは言いすぎでしょうか?
この学校に欠けているもの、それは危機感です。中学受験熱のヒートアップはこの地域においても例外ではなく、長男の友人でも数名が私立中に進学しています。もちろん成績面では優秀な子どもたちです。この公立中が進学先に選ばれなかったことを、当の学校側は実感しているのかどうか。世間からどう見られているのか、ということに疎すぎるのです。
こんな授業を公開すれば、保護者からどういう評価をもらうのかは容易に想像できるはず(?)です。想像できないというのであれば話にならないし、想像できているのに放置しているというのであれば、それはそれで論外ですよね。
そして何より、「こうやって生徒を育てようとしています」という主張が、現場から何も伝わってこないのが残念でならなかったのです。公立離れはこうした事例のひとつひとつの積み重ねである、と言ってもおおげさではないと思います。
今も公立中学には、内申点なるものが存在しています。宿題の提出状況や普段の授業態度、そしてノート提出も評価の対象となるので、いくらペーパーテストの得点が高くても通知表の評定が5にならない生徒は実在するのです。
前述の先生であれば、生徒個々の様子なんてまったく目に入っていないので、すべて機械的に成績処理を済ませていくのでしょう。
この授業スタイルを続けられたら、ノートをきれいに取ることこそ勉強と勘違いする受け身の生徒が続出するのも、そりゃ無理ない話です。全部きれいに写して、積極的に手を挙げて穴埋めの部分さえ答えられたら、証明はよくできていると評価されるわけです。そんなバカな・・・・・。
私が授業を見学した限りにおいては、先生達から生徒に訴えかけるモノを感じることはできませんでした。例えば「証明問題を通して、こういう感覚を身につけてほしい」とか「もっと世界に目を向けろよ」とかはもちろん、「今回の授業のキモはここだ!」というメリハリも感じられないのです。
私の感想としては、50分も見る価値のない授業であったことは間違いありません。みなさんの地域の公立中がすべてこうだと言うつもりはまったくありません。
しかし運悪くこのような学校にお子さんがお通いの場合には、自分の子どもを伸ばすのは親という意識を明確に持たなければ、子どもの品格が十分に育つことは難しいと言わざるをえません。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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