トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第四章 品格を育てられる「学校と先生」の条件とは?(51)
教育クリエイター 秋田洋和論集
なんとか変わろうとする学校には期待しよう
~評価されることに慣れていない先生たち~
前項では私の長男が通う学校ばかり引き合いに出してしまったので、次に次男が通う小学校の情報公開の話を書くことにしましょう。
この小学校の取り組みには、私もヒントをもらっています。実は年に2回ほど保護者向けのアンケートを行い、同じものを先生たちにも実施しているのです。
こうした調査では、数学に違いが現れる部分に最も注目が集まります。この小学校を私が評価している理由は、冷静に数学を受け止めて分析しているところなのです。
初回のアンケートでは、実は各種項目について教員の自己評価が大甘という結果が出てしまいました。つまり先生が、私たちは頑張ってよくやっていると思っていることを、それほど保護者は評価していないということがわかってしまった、ということです。
わが家でも、「なんだこりゃ」と話題になったのですが、この小学校はそのマイナスをプラスに変えました。すぐに、きちんと今回の結果を受け止めますという旨の文書を配布したからです。
これは、学校としてなかなかできることではないと思います。調査でも学校公開でも、実施することが目的ではなく、その後が重要であることは言うまでもありません。
前述の長男が通う中学校の動きと比較して、小学校の対応は明らかに早くて誠実に感じられます。
ということで、2回目の調査結果報告には期待していました。
ところが残念なことに、第2回の調査結果を見ると、今度は教員のみなさん遠慮したでしょというのが、ミエミエになってしまったのです。例えば、
「子どもは、運動会・遠足などの学校行事を楽しみにし、参加している」
という評価項目に対して、保護者は、
A(よい)72.5% B(普通)26.3% C(だめ)0.4%
という評価をしています。対象が小学生だから、家庭でも子どもが楽しみにしていると感じている親がこれだけ多いということ。
わが家でもそうなので、あぁこんなもんだろうなと思います。それに対して教員のみなさんの評価は、
A(よい)25.0% B(普通)73.2% C(だめ)1.8%
でした。「えぇ・・・・・!」という声をあげたくなりませんか?
子どもたちは遠足や運動会を家庭では楽しみにしていますが、その反面学校では、別に盛り上がるわけでもなく嫌がるわけでもなく、淡々と参加しているということなのでしょうか?
この部分に関しては、ほとんどの先生がAをつけて当然でしょう。そこまで遠慮する必要はないと思うのですが。実は、他の項目を見ても数字の出方がほとんど同じなのです。
この調査結果を見ても、いかに教員のみなさんが外部の視線に敏感になっているかを感じ取ることができ、そして評価されることに慣れていないことがわかるのです。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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