トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第四章 品格を育てられる「学校と先生」の条件とは?(57)
教育クリエイター 秋田洋和論集
「数学の危機」は算数からはじまっている
~苦労・感動・理解の循環を断ち切るな~
どうしても計算の工夫というテーマで、数学的な物の見方を定着させたいのであれば、
8×8×3.14+6×6×3.14
あたりの計算を点検材料にするとよいでしょう。お子さんがいらっしゃる方は、ぜひやらせてみてほしいと思います。
もちろん現時点での優秀生は暗算で解いてしまうわけですが、隠れた優秀生は、間違いなくこの手の問題に対しては、答え合わせの後の反応が抜群によいのです。
64×3.14と36×3.14を別々に解いてやっとの思いで正解にたどり着いたところ、
「3.14が64個あって、3.14を36個足す訳だから、あぁこれは3.14×100だよね、だから答えは314」と一瞬で解説を終わらせてしまったときに、「あぁそうか~!」とどの程度悔しがるかをみていればよいのです。隠れた優秀生は「なるほど、絶対に次は使ってやろう」という意識を持って、それを前面に表わします。
言葉であったり、顔つきであったり、表現方法は人それぞれですが、必ず教える私には伝わります。この感覚はなかなか言葉にはできないのですが、明らかに感動していることがわかります。
円周率を「およそ3」にした場合の弊害がわかってもらえましたか。
「苦労→感動→定着・理解」
の循環を断ち切ってしまったら、子どもは当たり前ですが勉強しなくなります。
ということを踏まえて、今回出題された問題をもう一度見てみましょう。
「100円のチョコレートが2円引きで売られているが、35個買うといくらか」
という問題です。暗算で解くことに、どれほどの子どもが必要性を感じ感動するのでしょうか。大人だって大半が電卓で計算するでしょう。「直接計算しても、工夫しても、そんなに大差ない」と子どもが思ってしまったら、工夫なんてする必要はありません。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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