トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第四章 品格を育てられる「学校と先生」の条件とは?(58)
教育クリエイター 秋田洋和論集
「数学の危機」は算数からはじまってる
~子どもが感動してくれたらこう動く~
「鉄は熱いうちに打て」です。自分の子どもが、自分の生徒が「あぁ!」と言ったら、間髪いれずにこの問題をやらせてみてください。もちろん、暗算で勝負という演出ができるとなおよいでしょう。
「14×11」「13×9」
まずはみなさん自身に解いていただきたいと思います。(答えは本文中)。
暗算で解けた方はこの感覚をそのまま子どもに伝えるだけで十分。これを発展させていけばかなり高度なゲームになります。算数・数学にはゲーム感覚は絶対に必要で、19×19まで暗記させるより知的な感じがしないでしょうか。インドの小学生に負けないためには、このような視点が必要なのです。
話を戻しましょう。算数・数学が得意な子どもは、間違いなく普段から暗算で解くし、苦手な子どもは間違いなく暗算では解けない。何を変えれば得意になるのか、どういう訓練をすればよいのでしょうか。
苦手な子どもは、複数の作業を同時並行で処理することができない場合が多いのです。AとBという作業を並行で行う場合に、まず行ったAの結果を、Bの作業を行っている間にどこかへやってしまうことが多いようです。
14×11=14×10+14×1
=14 0+14
=154
この作業で言えば「14 0出してぇ」「14出してぇ」「そして足すのか」という3つの作業を連続して行うのですが、苦手な子どもはたぶん途中で「次何すればいいんだっけ」とかなりの高確率で言うことでしょう。ましてや引き算になれば、
13×9=13×10-13×1
=130-13
=117
繰り下がりまであれば、難易度はかなりアップするかもしれません。
算数・数学が苦手な生徒の合言葉は、「次何すればいいんだっけ」です。逆に言えば、これを言わせないことが指導者(親含む)の使命なのではないでしょうか。
大人が意識しておきたいのは、
・作業が暗記ではダメ
・答えさえ合えばOKではなく、この作業に目的・意図・感動を付加すればよい
わけです。
そんなに難しいことではありません。
「このほうが簡単でしょ(笑って)」
この一言を大人が口癖にでもすればよいのです(勉強に限らず)。もちろん最初に遠回りさせることを忘れてはいけません。その経験があるから「次はやってみよう」となるわけです。
どうやったら簡単にできるかな?と子どもが考えるように仕向けること。まずこれから始めるべきです。これは勉強だけでなく、料理でも片付けでもなんにでも応用が効きます。ということは、大人も一緒に常に考えることを実行しなければならないのですが。
さしあたって大人なら効果的なダイエット方法から考えてみましょう(笑)。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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