トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第四章 品格を育てられる「学校と先生」の条件とは?(67)
教育クリエイター 秋田洋和論集
大学生に欠ける目的意識と「無形の力」
~ひと味違う大人にぜひなってほしい~
前述した学生向けに開講していた大学の公務員講座は、受講者が減ったようでした。その原因として、100%学生の問題かというとそうでもないようです。
教える側(講師)の能力の問題、そして工夫の問題。数学が苦手という前提で授業を組み立てたのか、大学の講義との差別化を図る工夫をしたか、目標を明確に与えたかなどなど、検証すべき点はいくらでもあるわけです。
ただ間違いなく言えることは、根本的な問題を解決しない限り、
「大学出口の公務員講座→大学入口の入学前教育」
に変わっただけでは、そりゃ効果は薄いだろうということなのです。
目先の結果、知識の補強といった有形の力を身につけるためには、同時に無形の力を育てる工夫が必要です。ましてやその無形の力を下手すると一度も意識したことがないレベルの学生が相手なのです。
ネットだろうが添削だろうが大学に呼ぼうが、そんなことが問題ではなく、
・大学で学ぶということがどういうことなのか
・大学で学ぶには自分自身がどう変わる必要があるのか
・大学生活にどのような目標を持つのか
といったことを理解させることを、入学前教育と並行して行う、これが結果として大学の差別化につながると考えます。
「ちょっと待て。大学って何だ」「今まで自分がやってきた勉強って、本当に勉強と言えたのか」というところに、気づかせることから始めることも、彼らには必要であるはずです。
このレベルの大学生が世の中に少なからずいる、という現実はとにもかくにも変えようがありません。
私ができることは、自分が関わった生徒たちや子どもたちだけは、ひと味違う大学生に、ひと味違う大人になってほしいと願いながら、無形の力を育てようと日々苦闘することだけなのです。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和より
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