トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと第1章 子育て方針のタブ一(1)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~「言うとおりにしなさい!」と叱っているから~
お子さんが幼かった頃を思い出してみてください。あなたが子どもを褒めたのは、どんな場面だったでしょうか。
自分でトイレにいけるようになったことから始まり、百まで数えられるようになった、九九を言えるようになった・・・・などなど。おそらく「○○ができるようになった」「△△がよくできた」という状況だったのではありませんか。
簡単にいえば、言われたことを言われたとおりにきちんとできることが、子どもたちのゴールだったわけです。
しかし、小学校高学年から中学生になると、そのゴールがかわります。生活面はもちろん勉強面でも、「なぜ?どうして?」をしっかり理解し、自分で考えて行動し判断することが求められます。高学年の算数が割合や比などの「ただ覚えているだけでは解けない分野」になってくるのがよい例です。
この゛ゴールの変化゛を親がしっかり見極めておかないと、子どもはいつまでも「言われたことをやっていればいいんだ」という考え方から脱却できません。ですから「つべこべ言わないで、言うとおりにしなさい!」と目をつり上げて怒鳴ることをやめ、「なぜ○○なのか」という理由を説明する「教育」を始めてほしいのです。
物事を押し付けるのではなく、きちんと説明して理解させることは、普段の忙しい生活のなかではなかなかできません。それでも、まず家庭で「子どもを大人扱いする」ことを少しずつ始めてください。そうしないと、彼らはある日突然大人として扱われ、さまざまな場面でとまどうことになるのです。
あなたは、自分の子どもを「どのタイミングで大人扱いしはじめるか」について、考えたことがありますか?私が見てきた子どもたちについていえば、「十三歳・十四歳で習慣にできなかったことは、結局、十八歳なってもできない」傾向にあります。
中学生なる前は、そろそろ子どもを大人扱いしはじめる時期だと理解して、しつけではなく「教育」を心がけ、「本人に考えさせる」声かけをしてあげてください。いつまでも「言うとおりにしなさい!」に子供が慣れきっていると、生活面も勉強面も、小学生のスタイルから抜けきれません。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和より
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