トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと第1章 子育て方針のタブ一(3)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~うちの子に反抗期なんてないはず、と思っている~
仕事柄、小学校高学年の子をもつお母さんがたと話しをする機会がよくあります。だいたい話の始まりに、
「最近子どもが言うことを聞かず、反抗的な態度をとる」
「こちらが何を聞いてもまともに返事すらしない」
といった愚痴をよく聞かされます。これは、昔も今も変わりません。それでも昔のお母さんには、そんなわが子の変貌ぶりを笑い飛ばすような余裕がありました。
ところが最近のお母さんは、「まさかうちの子がこんな言動をするなんて」と、うろたえる人が増えているような気がします。そんなとき、私はちょっと真剣な顔をして、
「それはお困りでしょう。今後は何かあったら我々に伝えてください。直接言えばケンカのもとですから」
と伝えるのですが、心のなかでは「よしよし、あの子は健全に成長しているな」と拍手をしています。はっきり言います。
子どもには「反抗期」が必要です。
子どもが何か新しいことを身に付けるときは、お手本となる身近な人の真似をすることから始めるといわれています。家庭であれば親、学校や塾であれば先生です。ですから、はじめのうちは「指示を正しく受け取って忠実に守る子」が、ものごとをよく身に付ける子であり、親や先生から見て「いい子」と評価されるのです。
しかし、成長するにつれ、「指示を守り、真似る」面に加えて、「自分で考えながら試行錯誤する」面が必要になります。中学校に入る前は、そういう時期でしょう。
この「試行錯誤」の過程で、ほとんどの子どもはストレスを感じます。頭で考えることと、実際の行動との間にズレが生じるからです。そして、うまくいかない自分に対して苛立ちを感じます。そんな状況で、親がこれまで通り「親の言いつけをよく聞くいい子」であることを求め続けると、子どもは「反坑的な態度」に出て、心の折合いを付けようとするのです。
反抗期は、「親に言われた通りのことしかできない子」から、「問題に対して自分で考えて行動する子」へ脱皮するプロセスです。長い目で子どもを見てください。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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