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会社の受付嬢がよく使う。いつからこんな日本語ができた？

音便、アクセントを知らないアナウンサー

四敗を「よんぱい」ではなく「よんはい」と六敗を「ろっぱい」ではなく「ろくはい」と読むアナウンサーが時々いる。アクセントの間違いも目立つ。近頃は音便もアクセントも知らなくてもアナウンサーになれるらしい。

雪辱

先日野球評論家の栗山英樹が「雪辱をはらす」と言った。「雪辱」の「雪」の意味を知らないのだろう。「雪」は「すすぐ」だから「雪辱」は「恥をすすぐ」という意味。野球評論家に正しい日本語を説くのもむなしい。彼はプロ球界にはめずらしい国立大学（東京学芸大学）出身者として話題になったけれど、学校の先生にならなくてよかったね。

これに関連して「汚名挽回」は間違い。これを使うなら「汚名返上」。

ついでに漢字の意味を知らないと理解しにくい言葉を以下にあげる。

敗北　の「北」は方角の「北」ではなく「にげる」という意味

自白　の「白」は色の「白」ではなく「言う」という意味。「白状」の「白」も同じ。

赤誠　の「赤」は「純粋」という意味。

赤貧　の「赤」は程度が甚だしいという意味。「赤裸々」の「赤」も同じ。

申される

鳩山由紀夫さんが首相退任演説で「小沢さんが申された」と言った。「申す」は謙譲語「何々される」は尊敬語。だからこの二つを同時に使うことはできない。鳩山さん、今は時間がたっぷりおありだと思うので外遊するより日本語を勉強されてはいかが。アメリカのカーターに倣ってノーベル平和賞をめざしているのかな。

続柄

役所の窓口で。「つづきがら」しかあり得ないと思っていたが今は「ぞくがら」も正しいとされているらしい。

奇貨居くべし

この意味をよく知らないで使う人がいる。史記「呂不韋伝」から。将来役に立つかもしれないので今のうちに買っておこうという意味。

「指す」と「打つ」

将棋は「指す」、碁は「打つ」。作家でも間違えて「将棋を打つ」という人がいる。

降水確率

天から水が降ってくるわけではない。降るのは雨、雪、みぞれ等。ひっくるめて降水といっておけばどこからも文句はあるまいという役人根性から来た言葉であると愚考する。

事故の調べ

ラジオの交通情報で「事故の調べのため交通規制されています」と聞いた時一瞬「『事故の調べ』とはどんなメロディだろう」と思った。それを言うなら「現場検証」だろう。調査の意味で「調べ」を単独に使うことはまずない。

個人的には

テレビで評論家や大学の先生が「個人的には」と前置きしてから発言する。誰も彼が自らの組織又は大学を代表して発言するとは思っていないのでこれは不要。

言葉のタブー

今は「魚屋」、「八百屋」は使えないらしい。だから「美空ひばりは魚屋の娘だった」も「八百屋お七」もダメ。では何と言えばいい？　

「アル中」がダメで「アルコール依存症」。精神分裂病がダメで「統合失調症」。

「片手落ち」も「目明き千人盲千人」もダメ。「ツンボ桟敷」も無論ダメ。こうした言葉狩りのおかげで日本語がどんどん貧しくなっていく。

英語でも同様にフェミニズムのせいで「―man」が駆逐されchairmanではなくchairperson、businessmanではなくbusinessperson。 mankind（人類）はまだ大丈夫？stewardessも使われなくなった。　

わかりにくい役所言葉

認知症

昔はボケとかアルツハイマーと言ったけど。不認知症ならまだわかる。

後期高齢者

「（政府にとって）長生きし過ぎた人」とは言えないものだからこんな言葉を捏造した。

雇い止め

「雇用打ち切り」が自然ではないか。

非居住者

税法等で使われる。一年を通じて一定期間日本に居住しない人。日本人外国人を問わない。

商品名を使えないNHK

昔山口百恵が紅白歌合戦に出た時歌詞の「真っ赤なポルシェ」を「真っ赤な車」に変えさせられた。いっそ「真っ赤な耕運機」にすればよかった。アメリカ映画を見た時登場人物が「BMW」と言っているのに字幕では「高級外車」となっていた。プロ野球ニュースではアナウンサーが大きな声で「ヤクルト、日本ハム、ロッテ」と言っているけどあれはいいのかな。中国では国営テレビもCMがある。NHKも受信料をやめて広告料収入で賄ったらいかが。

蛇足

某官房長官が国会で「柳腰」と言って問題になったがそれを言うなら「粘り腰」又は「二枚腰」。学力の低下は子供達だけにとどまらない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ジャーナリスト　青木　亮）