トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 名門復活へGO!熊高OBと学校が強力タッグ
教育クリエイター 秋田洋和論集
トップ層のレベルアップを図り、かつての輝きを取り戻せ!
進学実績の長期停滞傾向を憂える熊谷高校のOBや地元支援者、そして学校が立ち上がった。「熊谷高校を応援する有志の会」だ。寄付金を集め、難関大学突破を目指す同校生徒に予備校教師による講義を無料提供することを決めた。6月21日、同校くぬぎ会館で行われた発会式は熱気に包まれた。
写真:熊谷高校敷地内にあるくぬぎ会館には、母校愛に燃えるたくさんの卒業生らが集まった
かつての熊谷高校は、東大合格者を毎年10人以上輩出する県北の名門。浦和高校に迫る進学校だった。県北地域の人口減少が続いたところに追い討ちをかけたのが、全県1区方式の高校受験と私立高の台頭。2008年春の難関大合格者は、東大1人(浪人)、京大1人(浪人)、一橋大1人(浪人)、東工大3人(現役2人)にとどまった。
そんな状況を打破すべく一歩踏み出した卒業生たちが結成した同会。共同代表世話人を務めるJR東日本会長の大塚陸毅氏(1961卒)は、会の冒頭で「一流大学入学のみが人生の目的ではないが、熊高の現状は県北の中学生にとっても好ましいことではない。全体のレベルアップを図るには、まずトップ層の生徒の実力を引き上げること。学校と連携して役に立ちたい」と挨拶した。
会の発足に向けて奔走した世話人の一人、関根攻氏(1961卒)は「地域の人口減少や経済活動の停滞をはじめ社会的・経済的環境は厳しい。優秀な生徒は県南に行けばいい、という意見もある。それでも熊高の生徒は明るく、学校に対する満足感も高い。学校サイドも手をこまねいているわけではなく、1歩1歩策を講じ始めている。日比谷高(東京)、八王子高(東京)、堀川高(京都)、土浦高(茨城)など名門復活を果した公立高校も少なくない。可能性はあると思い、行動を起こした」と語る。
当初、英語と数学でそれぞれ30~50人程度の生徒を対象に、8~12月に8日間の補習授業を予定。生徒の意欲は高く、英語75人、数学78人もの受講希望があった。講義を担当するのは、河合塾大宮校。松尾求校舎長は、「東大、一橋大、東工大、難関医学部、早慶など難関国公私立大合格のノウハウを注入し、受験生の意識向上を図る。オリジナルテキストを用い、若手の実力派講師を派遣する」と抱負を延べた。
発会式には、他に八木橋百貨店社長の共同代表世話人・八木橋宏純氏(1961卒)、富岡清熊谷市長(1971卒)ら約60人が出席。閉会に際しては、同校校歌を熱唱し、名門復活を誓い合った。
寄付金は6月20日現在で、84人から410万円ほど集まっている。同会の田代充雄事務局長によれば、「寄付は目に見える形にしようと、名簿と合計金額をホームページ上に公開し、10日ごとに情報を更新する」という。目標は1,000万円で、試みを5年間継続する予定だ。同会ホームページのタイトルは、『燃えよ熊高生!!めざせ“難関大学”』(http://kmkuc.net/index.htm)。寄付のお問い合せなどは、田代会計事務所(048-521-1094)まで。
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