トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 2012年度から埼玉県の公立高校入試制度が変わります
教育クリエイター 秋田洋和論集
○現中2生から埼玉の公立高校入試が変わります
今年度(2011年春実施分)の中学3年生が受験する入試を最後に,埼玉県の公立高校入試は,日程や選抜回数のシステムが大幅に変わることになっています。わずか2年前の平成22年度に続く大改革となりますので,保護者の皆様にとっても「兄や姉がいたから大丈夫」とはいかなくなります。今回は,現中学2年生(2012年春受験)以降の受験生向けに,平成24年度入試での変化をまとめてみることにします。
○入試日程:これまで実施されていた前期・後期の2回の募集が,全学科1回の募集になります。
日程がこれまでの前期募集より遅くなります。
平成24年度 |
(参考)平成23年度入試(現中3) |
||
学力検査 |
3月 2日(金) |
前期募集学力検査 |
2月16日(水) |
合格発表 |
3月 9日(金) |
合格発表 |
2月24日(木) |
|
|
後期募集学力検査 |
3月 4日(金) |
|
|
合格発表 |
3月10日(木) |
○選抜方法:募集回数が1回になることは決定しています。その他の詳細は,平成23年7月上旬までに決定・公開されます。
(参考)平成22年度からの変更において,従来の「相関評価方式」から「加算方式」へ変更されています。現時点において選抜方法の変更についての言及はありませんが,新しく採用された「加算方式」は,学力検査の得点のほか,調査書の得点や面接・実技(実施しない学校もあります)などの得点を合計して選抜する方法であり,これまでに比べて「学力重視」の選抜に流れが変わったことを意味しているのです(学校ごとに調査書の得点の重みの付け方に差があります)。選抜において調査書などが無視されることはありませんが,高校側が「客観的な学力」を知りたがっていることを念頭においた上で,計画的に勉強をすすめておきましょう。
○選抜内容:5教科(国・社・数・理・英)を原則としてすべての志願者が受検します。各教科100点満点です。英語にはリスニングテストがあります。各教科ともに,問題の配点に差がつけられ,思考力・判断力・表現力などについて,学力検査の結果に反映させられるようになっています。
学力検査の時間は,国・数・英が各50分,理・社は各40分です。
(参考)平成22年度からの変更で,前期募集では5教科(国社数理英)の,後期募集では3教科(国数英)の学力検査が実施されるようになりました。また,各教科の満点が40点から100点満点に変更されました。募集回数は1回となりますが満点は変わらないため,平成22年度入試で見受けられた特徴(各教科1問あたりの配点が高くなり,教科ごとの平均点にばらつきが生じる)は,変更後も続くことが予想されます。
平成22年度埼玉県公立高校入試の平均点
|
国語 |
数学 |
英語 |
社会 |
理科 |
合計 |
前期 |
56.2 |
42.4 |
52.9 |
49.5 |
51.5 |
252.5 |
後期 |
59.9 |
47.6 |
54.8 |
|
|
162.3 |
お子様がお通いの中学校の定期テストに比べても,平均点が低いのではないでしょうか。特に数学では,証明問題が「完全証明(穴埋めではなく,最初から最後まですべて記述する)」になったことが影響しており,公立高校の入試問題としてはけっして易しいものではないことを知っておきましょう。
他の教科でも「記述による解答」が要求されており,しっかりした準備が必要です。
○どうして募集を1回にするのか:いくつかの原因が考えられます。
①入試日程を遅くすることにより,「中学3年の3学期もしっかり勉強させる」ことが可能になる。
②前期・後期に募集人員を割り振ることで生じていた「1回の募集であれば合格できた受検生を不合格にせざるをえない」という現状を改善できる。→「早く合格を決めたい」という心理から,平成22年度は前期への出願が非常に多く,「高すぎる前期倍率」に対する懸念の声が多く聞かれていた。
などが挙げられます。平成22年度入試の実態につきましては,
http://www.qualitysaitama.com/?p=6674を参照してください。
~秋田洋和~
教育クリエイター。
塾・予備校の新規事業プロデュースや私立中学の教務コンサル,教育最新情報の発信など多方面で活躍
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