トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 日本は先進国の中で最大の森林大国 外交評論家 加瀬英明
外交評論家 加瀬英明 論集
日本は国土の三分の二が、森林だ。先進国のなかで、これほど広大な森林が生きている国は他にない。本来、人も自然も、地球も自浄する能力を備えている。
ヨーロッパでは、森林はイギリスで国土の10%、ドイツをとっても20%しかない。
ヨーロッパにおいては、教会は都市や、町のものである。教会の伽藍が街のなかにあるように、ヨーロッパは、森林を切り拓き、自然を征服する文明である。
私はヨーロッパを訪れるたびに、違和感を覚える。私にとって神社は、山や、森に属するものであってきた。
マンリオ・カデロ駐日サンマリノ大使が伊勢神宮に参拝した後に、『神社新報』紙のインタビューに答えている。
「神宮は平和で、静かで、自然をひじょうに近くに感じました。ほかの宗教ではさまざまな像が多く存在してゐますが、神道の場合はとてもシンプルですね。
清々しい緑、川、水など、神々しい自然が溢れてゐる。私も宗教について勉強しましたが、神道はもっともネイチャーに近いですね。
もちろん建築もすばらしい。外容と内容が一致して、無駄な飾りがいっさいなく、神秘的でエレガントです。感動しました。(略)
神宮はとくにさうですが、神道全般にシンボルが余りなく、神々が自然のそのままに感じられます。太陽、月、空、気、風、雨、海、山、木に神が宿ってゐる。私も神はネイチャーだと思ひます。(略)
サンマリノにも森はありますが、残念なことに、その中に宗教的なものは何もありません。教会は森から少し離れてゐます。伊勢には、山の美しい木と、山の道があって、神宮と神社がいつも緑と一体になってゐる。それが心を洗ってくれますね。(略)
修道院の場合は山や、自然の中にあり、そこに教会もあります。ただ、教会もそのものが自然の中にはありません。俟ちの中の大きな教会の伽藍を、ラテン語で『ドームス(domus)』と言って、その意味は『町の家』『皆さんの家』です。(略)
それはなぜかといふと、昔から何かがあった時、例へば地震、火事、病気などの時に、人々をその中に集め、神父さんが気持ちを静めるやうに諭してゐたからです」(『神社新報』、平成19年6月25日)
カデロ大使は駐日ローマ法王庁大使のアルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教とともに神宮を参拝したが、「私はもちろんですが、ヴァチンカ大使も感激されてゐました」と、述べている。
(8章 神道は新しい世界宗教であるエコロジー教だ)
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