トップページ ≫ 社会 ≫ 教育 ≫ 大人でも戸惑う「公立中高一貫校受験」のいま(1)
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いきなりですが皆さんは「うるう年の定め方」についてお子様に説明することができますか?「4年に1回2月29日を作るのよ」といった結論ではなく,うるう年を設けなければならない理由とセットでの説明です。ましてやこれが「公立中高一貫校の受験問題」だとしたら,御自身が受験生だと仮定したときに冷静さを失わずに解き進めることができるでしょうか?
〇 多くの保護者が青ざめた「うるう年」の問題
実は,今春行われた東京都立の公立中高一貫校の受験において,共通作成問題適性Ⅱ(どこの学校を受験していても共通に解答する問題)として,うるう年が取り上げられました。
先生と2人の生徒との間で進む会話形式の設問で,東京オリンピックが行われる2020年がうるう年であるという話題から始まって,太郎君の「でも,どうしてうるう年は1年の日数が1日多いのかな
?」という,受検生にとっては「うわ,余計なことを・・・」としか思えない疑問の提起によって,やりとりが本格化していくのです。
まずは,理科で学習する「公転周期(惑星が太陽の周りを一周するのに要する日数)」をもとにしたうるう年のメカニズムの説明によって,地球におけるうるう年のルールが導かれます。地球の公転周期が正確には「365.24日」であるために生じてしまう,毎年0.24日ずつのずれを解消するために設けられたのが「うるう年」であること,その調整によって今度は逆に「25回のうるう年によって1日多くなってしまう」ので,100年ごとに1度だけうるう年をやめることになっている説明が続きます。
とある塾の保護者会においてこの問題が紹介されている様子を見る機会があったのですが,B4版の紙に左右ビッチリと書かれた会話形式の問題文を見た保護者の方々の,困惑した表情がとても印象的でした。そしてこの問題の面倒なところは,もう一人の生徒である花子さんの「これは面白いわね。先生,うるう年の問題を何か出してくれませんか」という受験生泣かせの一言でクライマックスを迎えます。太陽の周りを「2015.4日」で1周するという星を設定して,この星におけるうるう年の調
整方法を説明させ,火星の公転周期を紹介することによって「地球における1日と火星における1日」の違いを考えさせ,計算させる問題へと発展していくのです。 (続く)
秋田 洋和
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