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●埼玉の高校生は国語が苦手!?
最後に埼玉県の状況について紹介していきます。大学入試センター試験の都道府県別平均点において,実は「隠されている傾向」が存在します。2009年のデータになりますが,次の表をご覧ください。
35位 | 神奈川 | 44位 | 群馬 |
---|---|---|---|
39位 | 東京 | 46位 | 千葉 |
41位 | 栃木 | 47位 | 埼玉 |
43位 | 茨城 |
大手予備校発表,09年大学入試センター試験のデータより
明らかに関東圏の各都県の順位が低いことがおわかりいただけると思います。特に埼玉は全国最下位だったのです。ちなみに近畿圏では,奈良(1位),和歌山(2位),大阪(8位),京都(15位),兵庫(21位)と同じ都市圏でも明確に差がついていることを知っておいてください。つまり「すべてにおいて教育環境は首都圏がベスト」ということではないのです。
この傾向について分析した塾・予備校(特に関東)は,私の知る限りありません。これはある意味当たり前のことで,「自分たちの弱点」をわざわざ世間に公表することになるからですね。この原因を私なりに推測すると「中学受験段階・高校受験段階についた悪癖」を挙げることになります。具体的に言うと「記述部分を空欄にすることを気にしない」習慣が身についてしまっていることです。高校受験においては,公立受験生を対象とする塾の競争が激しくなっていることもあって,国語でさえ「定期テスト対策の充実」という名のもとに「パターンを覚えて得点を稼ぐ」ことを叩きこまれている生徒が明らかに多くなっています。「記述が苦手なら捨てろ,その分漢字と文法は完璧に」これも必勝パターンの1つです。中学受験においては,特に男子の「記述力の低下」については国語が専門外の私でさえよく話題にするほどです。お子様の中学・高校選びの際には「国語の指導法」にも注目してみると学校ごとの違いが明確になるかもしれません。
秋田 洋和
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