文芸広場
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コンビニの100円コーヒーが大盛況だが、実はわたしも営んでいる。100円コーヒーショップを。
ただ、わたしがコーヒーを淹れるお客様は限られている。お客様は、夫様である。
本当は、夫様からコーヒー代を徴収したいところだが、そんなことをやっては叱られる。だから、家計用のお財布から、夫様にコーヒーを淹れた際に、100円玉を取り出し、こっそり、チャリンと貯金箱に入れる。100円玉のチャリンという音は、涼しげにわたしのこころを癒す。
こんなことを書くと、夫様に献身的に尽くしていらっしゃる方からは叱られそうで、怖い。でも、一方で、わたしと同じように100円コーヒーショップを開店される方もそれ以上にいらっしゃるのでは?とも思う。
何故開店したか?
それは、自宅で夫とともに自営業を始めて、夫の外出以外はずっと一緒に過ごすようになった。
その状態に、なんとなく閉塞感を感じ、ずっと一緒となると昼食の準備、お茶出し等も気にしなければならない。
コーヒーだって、いつも自分が淹れるのではなく、たまには淹れてもらいたいのが本心。「注ぎ口が細いドリップしやすいやかんを買ったら淹れてあげるよ」そう言われて素直に購入したのに、淹れてもらったのは、はて?2回あっただろうか?
脳内でやかんが沸騰し、わたしは100円コーヒーショップを開店することになったのである。
いまは、溜まった100円玉を何に使うか考えるのが、楽しみだ。含み笑いはおとなのたしなみのひとつ。
檀 ままこ
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