文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
何のことはない話だが、蝉の腹は白かった。
先日、ひっくり返った蝉の側を通りかかった。普段、蝉の腹を見たことないが、白かったので驚いた。何となく、全体が茶色なので、腹も同じだと思っていた。
蝉の腹の白さがやけに気に掛かるのは何故か?
それは、「意外なこと」に普段遭遇していないからだと思う。いつも「何となく」過ごしている。
ひとの話も何となく聞いている。特に家族からの話は、家事をしながら聞くので、半分は聞き流している。「お母さん、この前言ったでしょ?」と、言われることが多い。聞き流しているから、忘れてしまうことが多々ある。先日、子どもが小さい頃のおしゃべりの録音を聞いた。そのおしゃべりにも「お母さんは、僕の言ったことをすぐに忘れてしまいます。」とのメッセージが吹きこまれていた。もう長いこと、「何となく忘れちゃう生活」をしているのだ。我ながら笑える。
先日、あるラジオパーソナリティーが、ゲストミュージシャンの曲を流す時にこう言った。「後ほど、曲を流しますが、その間は曲を聴くだけにしてください。2分後に流しますので、いまのうちにやっておかねばならないことはやってしまって下さい。普段の生活で、何かをしながら曲を聴くということも多いですが、今日は、曲をじっくり味わってください。」
せっかくなので、曲だけを味わってみたら、歌詞も身体に入ってくる。リズムも、より楽しむことが出来る。
さあ、「何となく生活」を脱出せねば。蝉の腹は白い。子どもの話には成長の片鱗がある。歌詞は心に響く。意外な発見がたくさんあるはず。そして、わたしは満たされる。
檀 ままこ
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR