●高校入学から大学卒業まで総額はいくら？

それでは，ここまで紹介していきた金額を合算して，衝撃の「費用総額」を出してみることにします。

子ども１人につき，高校３年間の合計が平均で210.0万円（入学費用＋在学費用），大学の４年間で669.4万円をあわせて，その合計は879.4万円となります。これに大学院進学の場合にはさらに2年分負担が増えますから，親としては頭が痛い話です。

進学先別高校から大学までに必要な費用

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　高校の費用は全体の平均

もしも自宅外通学（一人暮らし）をさせた場合には，これに仕送りが加わります。この調査結果によると，年間の仕送り額は平均で140.3万円（月額11.7万円）となっています。ただし，国の教育ローン利用世帯に限ると117.9万円（月額9.8万円）と全体に比べて低くなります。ちなみに，アパートの敷金や家財道具の購入費といった一人暮らしを始めるための費用は，平均で45.1万円かかっているようです。

この調査結果では明らかにされていませんが，教育費捻出方法として奨学金受給を考える人の割合はけっして低くありません。日本学生支援機構の「学生生活調査（平成24年度）」によれば，大学学部（昼間部）で52.5％，大学院修士課程で60.5％の割合で奨学金制度を利用しているとのことです。その一方で，ニュースなどで「大学時代に借りた奨学金を返済できない人が増えている」という話もよく聞きます。お子様の将来についてまだ方向性が決まっていなくても，備えを始めておくにこしたことはなさそうです。ただし，いまからご主人のお小遣いを減らし始めるのはやめてあげてください・・・。

教育費負担の実態調査（平成27年2月20日）　日本政策金融公庫

http://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_h26.pd

秋田　洋和