文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
平日の朝は、夫を送り出し、朝食を食べ終えると、私の中でカーンとゴングが鳴る。子供たちを学校に送り出すまでの時間との戦いの開始だ。
毎晩目覚ましを掛けるが、当然のことながら鳴っても起きない。
仕方がないので私が目覚ましとなり、起こしに行く。誰ひとり素直に起きない。
朝食を用意しつつ、再び起こしに行く。ここでひとりでも起きればラッキー。
いい加減起きないと間に合わないところで声を張り上げて起こすと、やっと起きてくる。
着替えにちんたら、朝食もちんたら、支度もちんたら。
その様子にイライラ。時計を見てイライラ。イライラする自分にイライラ。
やっと朝食を終えた子供たちが、今度は洗面所で小競り合い。
イライラを爆発させまいと抑えつつ、ひと声かける。
声を張り上げずに穏やかに過ごす朝は、夢のまた夢なのか。
どうにかこうにか支度を終え、ひとり、またひとりと慌ただしく「行ってきまーす」の声を残して玄関を後にする。
3人の声を聞いたところで、カンカンカンカン。つかの間の戦いも無事終了。私のイライラも終息。
さっきまでの喧騒が嘘のような静寂の時間が流れる。子供たちを無事に送り出せた安堵感に浸りながら、コーヒーを淹れて飲む。心落ち着く時間。
夏休みも残り少なくなってきた今、しばし中断しているこの時間を恋しく感じる。
早くいつもの朝のコーヒーが飲みたい。
岡 あやこ
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