トップページ ≫ 社会 ≫ 東日本豪雨リポート – 常総市の現状 ①
社会
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9月10日木曜日の発災後4日目を迎える13日日曜日に常総市に向かった。
つくばエクスプレスに乗り、つくば駅より某財団の緊急支援車輌に同乗し被害状況を見てきた。
つくば駅より、市の災害対策本部のある常総市役所までは約12km、普段であれば車で30分程度で着く距離だ。
だが、カーナビで設定されたルートを向かっていると、途中で渋滞が始まり動けなくなってしまった。
道が冠水しており進むことが出来なかったのだ。
本来であれば、わずか30分ほどで着く距離にも関わらず、迂回に次ぐ迂回と通行可能な限られたルートに流入する多くの車輌による交通渋滞で3倍の1時間30分も費やしてしまった。
市役所に着いてみると、目に飛び込んできたのは自衛隊の支援車輌や報道機関の中継車。
その傍らには浸水により動かすことのできなくなった車輌の数々。
庁舎に目を向けると市役所自体、1階部分が浸水し被災していた。
庁舎入口脇の壁には避難所名と避難されたひとの名簿が掲出され、庁舎内は一部立入禁止になり、使い物にならなくなった物が集められていた。
また、庁舎内は非常に暗い。
この時はまだ電気が来ておらず停電していたのだ(17日現在、市内全域停電は解消)。
使用可能な2階に上がっていくと、壁には様々な情報が書かれた貼り紙が多数貼り出されていた。
ボランティア受付(被災者ニーズの受付、外部ボランティアの受付)が設けられていたが、市職員もまだ慣れていない様子で要領を得ず、確認をしながら業務を進めていた。
その周囲には被災者が床に毛布を敷いて避難していた。
そう、市役所自体が避難所となっていたのだ。
市役所のインフラは、電気は停電しており、水道も断水。自衛隊による発電機を使い、最小限度明かりがついているような状況。
市民に向けて、NTTによる衛星電話の設置。各携帯電話会社による充電サービスやWi-Fiは設置されていた。
物資に関しては、食糧、飲料に関しては足りているように思われた。
おにぎり、弁当、パン、水、ジュース、スポーツドリンクと十分に揃っているようであった。
また、乳幼児用のミルク、離乳食も用意されていた。
但し、気になったのは筆者が一見した限りでは、アレルギー対応食は見当たらなかった。
市役所を訪れる市民を見ていると外国人を多く見かけた。
どうやら常総市の人口の10%が外国籍のようで、中でもブラジル人が最大人数を誇るそうだ。
そのブラジル人の様子を見ると、市職員と上手くコミュニケーションをとることが出来ていないように見受けられる。
ポルトガル語や英語で日常会話程度ができる程度で良いから職員との間に入って話ができる通訳の必要性を感じた。
こうした外国人には、恐らく行政による支援、サービスの情報が行きわたり難い。
各種被災に関する手続き(罹災証明の発行等)や飲食料、衣類、寝具等の物資の配給、外国人対応ができる避難所の情報、病院や医薬品の入手に関する情報等が日本人に比べて困難であると思われる。
外国人、高齢者、乳幼児、障碍のあるひとなど、健常者とは違うニーズのある人々に対する対応が必須であると感じた。(つづく)
前田 兼続
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