トップページ ≫ 地域情報 ≫ 秋の風物詩・川越祭今年も活況の内に
地域情報
埼玉県内で予定されている各種イベントや地元の人や情報をあますとこなく紹介。
事前には天気が心配された中、ふたを開けてみればそんな心配も杞憂に終わり、無事川越祭が開催された。
今年は13台の山車が参加。
昨年に続き山車の人形に注目して今年登場の内の3体を紹介しよう。
弁慶(志多町)
鼠屋五兵衛作(作成年 安政3年・1856年)
山伏姿の武蔵坊弁慶と草刈童子が二人並ぶ。草刈り童子とは薬草を刈る子供の事、厄除けの願いが込められている。
安宅の関にかかった弁慶が草刈童子に道を訪ねている所という。
弁慶は非常に大柄で迫力がある一方、二人の童子のあどけなさと見事に対をなしており
見る者の心を引きつける。
三番叟(六軒町)
仲秀英作(作成年不詳)
能の演目、「翁」の後半部分で狂言方が演じる舞、
「翁」の登場人物は三人
翁(おきな・集落の長)・千歳(せんざい・若者の象徴)・三番叟(さんばそう・農民の象徴、五穀豊穣を祝う舞を踊る。)
とても美しくハンサムな面立ち、首に下げている黒尉の面をつけるとまたその印象をがらりと変える。
高砂(末広町)
井筒雅風(作成年 昭和44年・1969年)
昔の相生町の名から能の高砂に取材した住吉明神。
高砂は世阿弥の書いた脇能の傑作、今でも結婚式の席上で謡われる事がある。
住吉明神は海の神・航海の神・また和歌の神とされる。
近年山車については足かけ三年の時間をかけて大幅な改修を行い
三年前の大祭でお披露目されたばかり。
人形の抑え目の作風が印象深い。
山車の人形はその源を神話・能・歴史上の人物に持つものが多い。
脈々と受け継がれ続けてきた人形のその起源を想像してみるだけでも
興味は尽きる事を知らない。
最後に一点、祭全体について気になる点を付記しておきたい。
長年の川越の住人から山車の引き手が以前より減っているとの話を漏れ聞いた。
旧市街地の過疎化については以前から指摘のある点である。
次代にこの素晴らしき伝統をより良い形で受け渡す為に、知恵を絞りたい所である。
小松 隆
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