トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと第1章子育て方針のタブー(12)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~子どもと一緒に夜空を眺めたことがない~
「教育格差」という言葉を報道などでよく耳にします。親が低収入だったり低学歴だったりした場合に、子どもがそれを引き継いでしまう「格差の世襲」のことを指す場合がほとんどです。たとえば難関大学に入学するためには、大多数が塾・予備校に通いますし、中学校から6年一貫の私立学校に入学させるケースもありますから、「親の収入が子どもの学力・学歴に影響する」可能性は否定できません。
しかし、どんなにお金持ちの家庭に育ったとしても、全員が難関大学に進学できるわけではありませんから、「親の収入の差」だけで片付けるわけにはいきません。
経済力以外に子どもの学力を左右する要因、それは「親の(知的)好奇心の差」です。
この差はとくに、理科や数学といった教科で顕著に現れます。子どもが自然科学に興味をもつきっかけは、親の影響がほとんどです。「親は無関心だったけれど、子どもが勝手に興味をもった」という話しを、少なくとも私は聞いたことがありません。
たとえ両親が共働きで忙しくしていたとしても、「家に帰る途中、今日は本当に星がきれいだった。」という会話のやりとりをするだけで、小学生ならば「自分も夜空を眺めてみたいな」「あの星はなんて名前だろう」という気持ちになります。
とくに「子どもが理科を苦手にしていて」と悩んでいるかたは多いでしょう。よく保護者のかたから相談を受けます。もしあなたもそうであれば、今からでも「自然科学に興味をもってワクワクしている姿勢」を見せましょう。
これができるのは小学生までです。中学生になれば忙しくなるし会話も減ります。「星がきれいよ」などと話しかけても、イヤな顔をされることが多いでしょう。中学校の勉強は「テストの点数を取るため」になりがちですから、ゆっくり星空を眺めながら会話ができるのは小学生の間しかないのです。
ワクワクしている姿勢は演技でもかまいません。
一朝一夕には変えられない収入や学歴に対して、ワクワクしている様子は今日からでも変えることができます。机上で学ぶ知識の蓄積だけでなく「自分で経験して肌で感じた知識」は、子どもにとって一生の財産になります。中学校に入る前に、ちょっとだけ一緒に夜空を眺めてみてください。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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