文芸広場
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うらむ、うらむ、「うらむ」が書けない。
先日、中学生の娘の漢字検定に合わせ、自分も娘より少し上の級に挑戦した。準2級。準2級は、高校在学程度のレベルだ。最近、パソコンが変換してくれるものだから、漢字をかなり忘れてしまっている。そんな危機感から、受検してみることにした。
蓋を開けてみれば、これが意外と難しい。やはり、ひらがなを漢字に直して書く問題がいちばん難しい。検定当日、書けなかった漢字のひとつが「うらむ」。
わからなくても、とにかく絞り出したい。問題用紙の余白部分に、ひらがなで書いてみる。何度も。
うらむ うらむ うらむ うらむ・・・。
何度書いても出てこなくて、余白に「うらむ」の文字がお経のように連なる。そして、わからないものだから、思考も遠くへと向かう。
嗚呼、確か、この漢字は、練習問題集にも出ていたような気がする。思い出せない自分をうらむ、うらむ。勉強不足の自分をうらむ、うらむ。いま、家業が忙しい。この忙しい時期に検定を受けてしかも落ちたら、そんな自分をうらむ、うらむ。そういえば、わたしは、幸せなことに、ひとをうらむことはなかった。うらむことがあったなら、漢字も書けたのだろうか。うらむ、うらむ・・・。
結局、時間内に思い出すことが出来ず、その部分は空欄。
検定の合格レベルは正答率7割程度。自分を恨む結果にならないといいが。
檀ままこ
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