トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと第1章子育て方針のタブー(13)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~「どうしてこんなに簡単なことができないの!」と怒っている~
これは、わが家での実話です。
妻が難しいパズルを解いていたときのこと。最初は要領をつかみかねていましたが三分程度で正解を導き出し、ご満悦。当時小学生だった長男にも解かせてみました。
長男も要領をつかめないようで、頭のなかで考えているのかそれともあまりの難しさに茫然としているのか、とにかくジッとしている。すると妻が、怒り出したのです。
「どうして書き出してみたりしないの!固まっていてもはじまらないでしょ!」当然長男はやる気をなくし、ふてくされてしまいました。
皆さんも心あたりがありませんか。子どもに対して「自分がすべての基準」というお母さんは、私が見る限りけっこう多いです。
お母さんと同じ手順を踏み、同じ考え方ができないと、「わが子は期待通りに行動できない」と幻滅し、「なんでこんなこともできないの!」と怒ってしまうのです。
勉強でいえば自分が解ける(過去に解けた)問題に子どもが苦戦すると、「なんでこんなに簡単な問題が解けないの!」と怒ってしまいます。
こんなお母さんは、子どもが赤ちゃんの頃から「子どもを自分の基準と比較する」ことを無意識に行っていることが多いようです。
「首がすわる時期」「よちよち歩きができるようになる時期」「おむつが取れる時期」など、雑誌やママ同士の情報などから仕入れた「基準」に比べてわが子の様子が「早い!」「遅い!」と一喜一憂します。そしてその感覚を、小学生までひきずってしまうのです。そろそろそんな感覚は修正しないと、この先子どもの就職先や結婚相手選びにまで同じことをやってしまいそうです。嫌がられるに決まっていますね。
幼児期においては必要だった「母親の基準」は、子どもが小学生になり、さらに成長していく過程においては必要がなくなっていきます。中学生になれば見事なまでに「母親の理想・期待」を裏切ってくれるものです。(と思っておきましょう)。
お母さんの無用なイライラを減らすためにも、自分の基準に子どもをあてはめるのをやめましょう。それだけで、「怒る」から子どもと「会話する」関係に変わります。これが「子どもを大人扱いする」ことの第一歩でもあるのです。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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