妄想の「妄」の字には女が。男性よりも女性の方が妄想好きなのか？

かくいうわたしも妄想好き。かなりの。

妄想も使い方次第で自分を助けてくれる。
かつて高齢者施設に数ヶ月勤務したことがある。利用者のなかには、体重の重い方もいらっしゃる。力が強くない自分は、ベットから車椅子に移って頂く際にかなり大変だった。まだ新人だったので、自分の身体を上手につかう術も未熟だった。そんな時には「妄想力」で乗り越える。
ここは崖。恋人が崖から落ちそうになっている。助けられるのは自分だけ。火事場のバカぢからを使って、恋人を力一杯、崖から引き上げる。実際、この男性利用者は、時々わたしのことを奥さんだと思って話し掛けてくれることがあった。

そういえば、あの男性は、元気に過ごしていらっしゃるだろうか。
何故、わたしが、高齢者施設を数ヶ月で辞めたのか？
それは、とにかくスピードを重視される職場で、全くついていけなかったから。スピード感は、妄想で克服できなかった。

嗚呼、しょっぱい想い出のひとつ。

檀ままこ