トップページ ≫ 社会 ≫ 社説 ≫ アトレ浦和開業と地域商店街が取り組む課題
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新年初売りもスタートし、県内各所は買い物客でにぎわっている。中でも昨年11月25日にアトレ浦和がオープンした浦和駅の周りは新たな趣の活気を帯びている。ご存知のように、アトレはJR東日本の駅構内の開発、駅ビル運営を行う会社で、アトレ浦和は埼玉県で初のオープンである。アトレはライフスタイル提案型のテナント選定に定評があり、今回も主な顧客は浦和駅を利用しているニューファミリー層ではないかと推測される。今回30店のテナントが出店しているが、埼玉初出店が「浦和 蔦屋書店」をはじめ10店にも上るが、地元食材や浦和レッズとのコラボ商品を取り扱いなども行い地元密着を強く打ち出しているのが興味深い。
さてこのアトレ浦和開業で周辺商業施設はどのような影響を受けるのであろうか。パルコやコルソの食料品店やカフェ施設などは競合店舗の開店により影響を受けるであろう。しかし、伊勢丹については地域に根付いた信頼感がベースにあるため、顧客層が本質的にかぶっていないということもあり、あまり影響が受けないものと思われる。駅の商業施設が地域に与える影響というものを考えたとき、既存の商業施設に負の影響を与えるとみられがちであるが、新しい人の流れを生み出したり、施設そのものが街のイメージ向上につながるという影響が見落とされがちであり、今回のオープンは浦和のブランド向上につながるのと言えるのではないだろうか。
次に、これからの課題としては地域商店街との共生である。地域商店としては、これから起こる消費者の動向や行動の変化を把握して、それぞれの商売に反映させることが必要である。たとえば、アトレ浦和は飲食や食料品のテナントが中心で、他の駅の施設のようにファッションはインテリア雑貨などはない。駅での購買に続く買い回りニーズによって、これら商品ラインは今後の需要になってくる可能性がある。また地域商店街の活性化という観点でいえば、いかに自分たちのエリアが持っている素材と連携していくかということではないだろうか。どうしても、他の商店街で成功したもの、それは街バルであったり、商品券であったり、特産品などがそうだが、横並び的に取り組んで一過性のものとして終わっている事例が見受けれられる。浦和であれば自転車や、別所沼でのジョギングなど自分たちの足元の財産をもとに、地元のコミュニティと一緒に地域共生を行っていき、その地域の消費者と密につながっていくことが重要ではないだろうか。
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