トップページ ≫ 地域情報 ≫ 小学校で「大宮落語体験教室」~古典芸能“落語”の世界に引き込まれて
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1月15日金曜日、さいたま市立大宮南小学校で、落語家三遊亭鬼丸師匠を招いて、落語体験教室が開催された。大宮区と公益財団法人さいたま市文化振興事業団主催で、区内の小学校高学年を対象としたイベント。日本の古典芸能である落語を“学び、聴き、体験する”ことで、文化芸術に対する興味と意欲、コミュニケーション能力の向上を図ることを目的として、年に一度開催されている。
さいたま市在住の三遊亭鬼丸師匠は、老人ホームや介護施設などでの講演が多く、小学校で講演する機会は少ないそうだ。しかし、同じ年頃の子どもを持つだけに、すぐに児童の心を掴み、飽きさせることなく最後まで、落語の魅力を存分に感じさせてくれていた。
まず、“学び・体験”として、落語について、登場人物の演じ分けと、扇子・手ぬぐいの使い方、落ちについて、実演を交えながら分かりやすく解説。扇子を箸に見立ててそばを食べる一連の動作を、師匠の手本を見た後に児童も体験した。扇子の動かし方やそばをすする音の出し方、器を持つ手の動きは、見る者も熱々のおいしいそばを食べている気分にさせてくれる。ないものをあるものとして、扇子と体を使って表現する難しさや芸の繊細さを感じたに違いない。会話で話が進んで最後に落ちをつけるのが落語。誰もが知る昔話が、落語になるとどうなるのか、トントンとテンポよく紹介される度に、落ちに笑いが起きていた。
次に、実際に落語を“聴く”体験として、「勘定板」と「ねずみ」の演目。落語の面白さが伝わりやすい「勘定板」と、想像力を必要とし、話の流れからは想像しがたい落ちが待っている「ねずみ」。どちらも演目が始まると、背筋がピンと伸び、じっと耳を傾けている児童の様子が印象的だった。
最後の師匠への質問では、多くの手が挙がり、「本番で一番大変なことは?」、「職業に落語家を選んだ理由は?」、「一人前になるには何年かかる?」など、落語や師匠について興味を持った質問が飛び出していた。
落語を聴いたことはあっても、実際に生で落語を見たことがある児童は少ない。師匠の話に引きこまれて、素直に反応する姿から、落語を楽しみにしていた様子が伺えた。落語を楽しむポイントを学び、より興味を持ったことだろう。また、役を演じ分けるための動作の細かな違いや声の調子の違いを知ることは、相手の様子や感情を読み取ることのスキルとなり、目的とするコミュニケーション能力の向上へと繋がると感じた。
岡 アヤコ
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