文芸広場
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引越しをしようと思う。転居する訳ではない。こころだけお引越し。
ここ数年というもの、こころが外へ外へと向いていた。何故か。家のさまざまなことから逃げていた気がする。結果、とにかく外での用事がたくさん。家事も怠り、散らかった開かずの間がひと部屋出来た。
人生には予想していなかった出来事が起こる。夫は独立して家で仕事をするようになり、仕事関係の機材が増えた。また、夫の趣味関係の物も増え、物のレイアウトが納得出来ない様子へと変わっていった。
家が散らかっているひとには、意外と完璧主義のひとが多いという。家のなかの様子が変わってきた頃から、わたしは片付けを怠るようになり、外での用事が増えていった。
でも、もうあきらめることにする。人生はすべてが自分の思う方向にいく訳ではない。現状を受け入れることにした。出来る範囲で様々のことをやりくりしていくことにする。
わたしは、こころのお引越しを始めた。少しずつだがモノを減らしている。モノのなかには、形のないものも含まれる。趣味もひとつ手放した。だんだんと遠のいていた野菜作りを、きっぱりと辞めた。さらにもうひとつの趣味も手放そうかと思っている。
そもそも器用ではない。たくさんのことをこなせる訳ではないのだ。「たくさんのことをやってキラキラと充実笑顔のわたし」という幻想も手放すことにする。
こころのお引越しの先には本当の笑顔があると信じている。
檀 ままこ
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