トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと第一章子育て方針のタブー(16)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~やりたくないことは無理にやらなくてよい」が教育方針である~
最近のお父さん、お母さんと接していて、感じることがあります。それは、
「子どもがやりたくないのであれば、無理にやらなくともよい」
と考えるかたが増えたということです。
たしかに、子どもがやりたいと思っていないスポーツやおけいこ事を、無理にやらせる必要はないかもしれません。ところが、学校の宿題や家事の手伝いなど、子どもが将来世のなかに出たときに必要になる事柄まで、「無理にやらなくてよい」と考えるのは問題です。
現代は、夏休みの読書感想文にも代行サービスが登場する時代です。「面倒なことはアウトソーシング(外部委託)すればよい」という感覚は、会社の仕事や家事だけでなく、小学生の世界にまで及びはじめているようです。
「やりたくないことは無理にやらなくてもよい」という子育て方針は少なくとも子どもが小学生までの間は通用するかもしれません。子どもは「完全に親の保護下にある」ため、最終的には親がたすけてやることができるからです。
ところが中学生になると、そうはいかなくなります。苦手な科目でも定期テストをうけなければなりません。答えを覚えていれば正解できた小学生までの勉強と違って、中学校の勉強は正解に至るプロセスを理解する必要があります。これは、親が助けてやることはできません。
また、部活動が本格的に始まれば、中学一年生には雑用係がまわってきます。「雑用なんてやりたくない。早く試合にださせてほしい」と言っても、通用するはずがありませんね。
「やりたくないことは、やらない」という発想が一度身に付いてしまうと、誰かが助けてくれるまで、あの手この手を使って逃げ回るようになってしまいます。中学生には、誰も助けたくれない、誰も代行してくれない問題に直面することがよくあります。そして、そのような困難に立ち向かうことで、初めて覚えることもたくさんあるのです。「やりたくないことから逃げない」ことの大切さは、時代に関係なく中学生までに身に付けてほしいものです。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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