文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
笑ってもらえると嬉しい。だから、話ことばや書きことばは、ありきたりのものではなく、記憶に残ってもらえるようにと心掛ける。
テニス部に所属する娘の試合の付き添いに行った。付き添いの保護者は、試合後にみんなに何かひとことを言うことになっている。こういうのは苦手だが、何かは言わねば。わたしは、一所懸命に白球を追う姿を見て感動したことを語った。
自分としては感想を言ったまでだが、何故かウケている。特に、娘は笑いすぎである。
後で娘に聞いたところによると、前年に付き添いで行った際に言った内容と全く同じだったので、笑ったらしい。一年前のことばを覚えているとは、中学生の記憶力は恐るべし。
それから、テニス部員から顔を覚えられ、クスクスと笑われる。
わたしは、何もしなくとも笑ってもらえるという、お笑い芸人が目指す境地に達した。
いちいち大袈裟だと、反抗期真っ最中の娘にはウザイと思われている。
檀 ままこ
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