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長編映画「街をみる」~市民の手で製作
さいたま市が舞台
社会
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岩槻市がさいたま市に合併して10年余り。市民や若者の間で交流が少ない、さいたま市としての文化の発信が少ない、アイデンティティが希薄だ、という問題意識から、「岩槻映画祭」を立ち上げたプロデューサー吉永篤史さん(34)。市民参加の文化活動の延長として、さいたま市を舞台にした長編映画「街をみる」の制作を発表した。今月下旬にクランクインし、4月に開催される岩槻映画祭での公開のほか、海外映画祭への参加も目指している。
物語は失踪した犬を探す父・航平、経営が傾く実家の喫茶店を継ぐ兄・一平、お金を持ち逃げした彼氏を探しに故郷にもどってきた妹・梢の家族が、それぞれの探し物をを巡って生きる意味を問い直すもの。脚本を担当したのはさいたま市出身の島村和秀さん(28)。監督は海外の映画祭にも入賞歴のある川本直人さん(27)。映画タイトルを決めたのは川本監督だという。瀬戸内の島出身の川本監督は岩槻にきて、一番高いところから街を眺めたとき「街がずっと平坦に続いている。どこまでをさいたまの街ととらえるのか」という視点を持ったのがきっかけだ。
映画の制作にあたっては市民が主体のプロジェクトとして進めるという。制作資金についてもインターネット上で資金を調達するクラウドファンディングに挑戦する。出演者については、主人公の桜木梢役には埼玉県出身で大人気モデルとしても活躍する前田希美を起用。梢の兄一平を演じるのは現在放送中の大河ドラマの北条氏直役を務めている細田善彦と、若手を中心に実力派をそろえいる。
なお、岩槻映画祭は今秋さいたま市で開催される世界的芸術祭「さいたまトリエンナーレ2016」と提携しており、吉永プロデューサーは「この映画を通してさいたま市の映像文化の発展を牽引したい」と意気込みを語った。
小林 司
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