文芸広場
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今朝初めて静かな雨の音を聞いた
小さいが無数の祷りの声だった
天地は秋を迎えていた
過ぎる日
凶暴な風と徒党を組み
川を氾濫させ
橋を破壊し人家を流し
人を溺れさせたのも同じ雨であった
大声をあげ無法を好む者もいるが
同じ人のなかにも静かな聖者もいる
雨も風もその心によって
人の世界を破壊するものもあれば
人に恵みを与えるものもあるのだ
乾いた土を潤し
冬を堪えた種に春をつげる雨
散り敷いた葉に眠りを与え
今は多くの命を地に帰す秋の雨
病める者をいたわり
報われることのなかった悲しみに耳を傾け
今年もまた近くで遠くの地で
世を去った多くの者達がいる
会堂の中で祷っている人達がいる
会堂の外で祷っている多くの声が聞こえる
窓ガラスに雨のしずくが
涙のように流れている
静かな雨の日一人座っています
波紋のように広がっていく
風の囁き
雨の祷りを聞いています
大畑 ヨシオ
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