トップページ ≫ 社会 ≫ 教育 ≫ 【高校入試】平成29年度埼玉県公立高校入試の重要な変更点(1)
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平成28年度の高校入試を数日後に控えている中,今回はまだあまり知られていない「平成29年度埼玉県公立高校入試の変更点」について紹介していきます。現中2生から始まる今回の変更を知っているか否かによって,おそらく準備の面で大きな差がつくことが予想されます。まだ詳細が発表されていない段階ではありますが,概略を知るだけでも保護者の皆様の中には青ざめる方も出てくるかもしれません。
参考
埼玉県教育委員会『平成29年度埼玉県公立高等学校入学試験選抜における学力検査の改善について』
https://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/29nyuushikaizen.html
(1)学力検査時間の統一 「社会・理科の検査時間を40分から50分に変更」
(埼玉県教育委員会HPより)現在、社会及び理科の学力検査はそれぞれ40分で実施しています。学習指導要領に示された思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題に対して、受検生がしっかり考えて解答できる時間を確保するため、社会及び理科の学力検査時間をこれまでの40分から50分に拡大します。このことにより、学力検査の時間は5教科すべて50分になります。
【解説】皆さんは「埼玉県で出題される社会の問題は他地域に比べて難しい」ことを御存知でしたか?社会はもちろんのこと,理科も決して易しい問題ばかりが出題されるではありません。東京都立高校入試問題との平均点比較で,ちょっとその差を確認してみましょう。
年度別学力検査の平均点
|
|
埼玉県 |
東京都 |
理科 |
H27 |
50.3 |
59.4 |
H26 |
46.1 |
47.3 |
|
H25 |
63.4 |
60.3 |
|
社会 |
H27 |
49.1 |
59.1 |
H26 |
49.5 |
57.4 |
|
H25 |
50.3 |
51.5 |
埼玉県の数字はすべて全日制受検者のもの
H25の入試においては理科・社会ともに埼玉県と東京都では平均点に差がついていませんが,H26,H27では特に社会における得点差が目立つことがおわかりいただけると思います。その理由は解答用紙から推測することができます。
埼玉県社会の解答用紙(H27)は画像①②
東京都社会の解答用紙(H27)は画像③
明らかに「記述させる量」が異なっていることがおわかりいただけると思います。埼玉県はとにかく「記述問題」の多さが目につきます。東京都はマークシート用紙を導入していることもありますが,解答用紙は1枚で試験時間が50分。それに比べて埼玉県は,これだけの記述をさせて試験時間が40分ですから,時間が足りない生徒が続出するのも当たり前ですよね。これが全国的にみても平均点が低い理由だったのです。
新課程では,中学生に対して「思考力・判断力・表現力」を求めることが明記されていますから,我々保護者世代の頃のように「社会=暗記科目」とは簡単に片づけられなくなってきています。この傾向は2020年度から実施される予定の大学入試制度改革とも連動しているため,全国的にますます強くなっていくことが予想されます。埼玉県では試験時間を50分に延ばすことで,「資料を読み取り,理由を考えて述べる」出題をこれまで以上に受検生に問いかけてくるのでしょう。(つづく)
教育クリエイター 秋田洋和
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