文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
桜が咲きはじめたのに
油断できない花冷えの日
ダウンコートを着て公園をを歩く
誰もいない靜につつまれて
聞こえるのは私の足音
噴水の水しぶきの音
そして傘にあたる小雨の音
咲きはじめた桜も
雨露がまるで涙のように落ちる
空をあおげば灰色にうすく雲がかかり
足元の花もうつむきかげん
はりきって咲いた桜が言っているよう
こんな花冷え私には似合わない
明るい陽をあびてこそ
私は幸せなのに
輝けるのに
人見 麗子
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