トップページ ≫ 文芸広場 ≫ OH能!!〜わたしの大宮薪能
文芸広場
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ほーっと、ため息がもれた。美しかった。いままで見たなかで、一番よかった。
先日、5月27日、28日の二日間、第三十五回記念「大宮薪能」が武蔵一宮氷川神社境内で行われた。わたしは、28日に行った。
これで大宮薪能を見たのは何度目か。おそらく7、8回目だと思う。思い返せば、いろいろあった。雨で、市民会館で鑑賞したこともある。また、途中で大雨が降り、そのまま中止という悲しい想い出もある。前日に呑みすぎて、二日酔いで行けない時もあったっけ。天気、体調の条件が揃って初めて、氷川神社での鑑能の席に着くことが出来る。
何度も行っているが、能の内容がはっきり理解出来ている訳ではない。それでも、毎年大宮薪能に足を運んでいるのは何故か。ひとことで言うと美しいからだ。氷川神社の木々の緑、建造物の朱色、そこに舞台が映える。日が暮れ、光が闇へと移り行く様も、鑑賞する。舞台の両脇に炎が煌々と揺らぐ。その雰囲気に酔う。
耳に心地いい笛や鼓の音が、異空間へと誘う。
能の意味はわからぬが、その美しさは堪能出来る。
上質な衣裳から目が離せない。独特な和の色。紫がかった鼠色、青にも微妙な様々な色がある。足袋の黄色がアクセントになっていたりして、胸が高揚する。舞台上での、衣裳の濃淡もいい。
能を演じる気迫が、客席に漂う。じっと見守る。この日の最終の演目は「石橋」。金春流の本田芳樹、布由樹兄弟が紅白の獅子に扮して乱舞する。そのダイナミックさを目に焼き付けた。
一年一年、回を重ね、様々な印象が自分のなかに描きだされる。その微妙な色合いをこれからも塗り重ねていきたい。
檀 ままこ
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