トップページ ≫ 社会 ≫ 教育 ≫ 2016年版 埼玉県の高校入試で親子が知っておくべき5つのポイント(3)
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第3位 私立高校の「個別相談」のシステムを理解する
埼玉県の私立高校では,一部の大学附属校を除くほとんどで「個別相談会」が10月下旬頃から実施されます。地元が埼玉でない方や保護者として初めての高校入試を迎える方にとって,最初に頭を抱えるのが,この埼玉独自の「個別相談会」なのです。
(1)いつ行われるの?予約は必要なの?
多くは受験生・保護者対象の進学相談会や学校説明会の後に実施されます。10月ごろから始まる学校説明会において(もしくはホームページで),それぞれの高校の基準や個別相談の参加の仕方(電話やはがきによる予約制をとる学校もあります)に関する具体的な内容の説明があります。
(2)持っていくものは?
高校側が最も知りたいのは「北辰テスト」の成績です。北辰テストとは,埼玉で昔から実施されている業者テストのことで,県内の中3生がかなりの割合で受験するため,高校側は「学校の成績とは別に,生徒の学力をかなりの精度で判断できる材料」として重宝しているのです。塾に通っている場合は塾経由の申し込みがほぼ可能ですが,書店などで個人申し込みも可能です。多くの場合,2学期以降の複数回の成績の提示を求められますから,テストの日程を早めに確認しておきましょう。
それ以外には,通知表のコピー,英検や漢検,部活動での成績(新聞などのコピー)など,自分の学力や成績を客観的に証明できるものをすべて持っていきます。
(3)何を相談するの?
はっきり申し上げると,相談する内容は「合格の可能性」です。現在40代,50代で中学生時代埼玉に居住されておられた方々であれば「確約」という言葉を御存知だと思います。この「確約」とは,該当の私立高校への合格を文字通り確約するもので,高校側にも中学校の先生にも,そして保護者にもメリットのあるシステムとされてきましたが,現在は「確約」という言葉を使うことが許されていませんので,受験生が持ち込んだ資料と高校側が設定した基準を照らして「合格の見込み」について確認しあうのです。ここでは100%の合格保証はできませんから,
「当日0点を取らなければ」「これなら問題ありません,油断せず頑張ってください」
といった表現で合格の可能性が高いことを暗示します。逆に,
「数値が足りませんね」「これからの追い込みに期待します」
といった表現は,基準に到達していないことを示します。基準に到達していなくても受験することは可能ですが,事前の確認なしで合格するには当日の得点で基準を大幅に越えることが求められますから,現実には厳しいと言わざるを得ないのです。
特に「加点制度」を用いている高校では,個別相談の結果によって「当日の得点に30点加点」といった形で合格をアシストしているので,相談なしで受験することは事実上「自分だけ30点のハンデを背負っている」ことになりますから,注意が必要です。
(4)だから保護者は大変なことに・・・
この個別相談は,受験する可能性があるすべての県内私立高校において行う必要があります。「うちは県立第一志望で,私立は第二志望だから・・・」といったことは関係なく,それが第一志望であろうが第三志望であろうが,私立を3校受験するのであればそれぞれ相談をしておかないと,結果的に不利になるということです。だから,2学期の週末のお母さんたちは,東へ西へと忙しく動き回ることになるのです。(つづく)
教育クリエイター 秋田洋和
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