文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
押し入れの中を片付けたら、もっと整えたくなった。向かった先は、お値段以上♪のCMでおなじみの生活用品を扱う大型店舗。
近所にあるものの、あまり行ったことがなかった。店内は、家族連れで混んでいる。若い夫婦が相談しながら商品をカートに入れる様子が目に入る。
「あなたたち、新婚さんね。いいわね。甘くて。20年後も、あなたたち、そんな風に笑顔で会話出来ているといいわね。」わたしの中の悪魔がささやく。
悪魔をいましめながら、店内をキョロキョロ。探しているものが見つからない。店員さんに聞くと、2階にあるとか。
2階は、家具類が置いてある。勉強机の売場では、母親が男の子に怒鳴る姿が。「これを買ったら、あっちの物は買えないんだからね!」
わたしも脳内で男の子にささやく。「そうだよ。予算は限られているんだよ。たくさんの物は買えないんだよ。子育て世代のお金のやりくりは大変なんだからね。」
あれ?2階には目当ての物がない。また店員さんに聞くと、1階にあるらしい。間違ったことを教えられても、怒らない。寛容でなくては。先程の悪魔たちは、おとなしくなった。
戻った1階では、初老の夫婦が仲良くマットを選ぶ姿が。新婚さんから初老まで、家族の歴史を見ているわたし。
やっと見つけた!すのこ、すのこ♪押し入れに入れようと思いつつ、買わずに過ごしていた。湿気を防ぐにはコレでしょ♪
すのこを買っている自分は好き。生活を快適にしようとしている自分が!
こころがカラッと晴れ渡る。今日のこの青空みたいに!
そうだ。ビールを買って帰ろう。しあわせに形があるとすれば、これもそうだ。
檀 ままこ
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