第５位　高校入試の「併願校」に驚かない

　保護者世代の皆様が高校入試を迎えたときには，その地域にもよりますが「公立が本命で，併願として私立を1校受験した」ケースがほとんどだったのではないでしょうか。または「公立1本で，私立なんて受けなかったよ」という方もおそらくいらっしゃることでしょう。

　その時の感覚を現中３生にあてはめて受験校を考えるのは大変危険ですからおやめください。

埼玉県の高校入試では，その地域性もあって，私立高校では「埼玉・東京・神奈川・千葉」と多岐にわたります。都内の国立高校を受けるチャンスもあり，「大学附属校」の選択肢も多く，早稲田と慶應だけで男子だと最大5回の受験機会があります。これは地方在住の方が本当に驚かれるネタの1つでもあります。

　現中３は，これに前述の「現役合格率」も意識して学校を選ぶのですから，志望先を1校に決めるのは大変ですし，決して得策ではありません。よって，埼玉在住の中学生は，私立高校受験を中心に考える場合はもちろんのこと，公立高校受験を考える場合でも，より納得できる進学先を確保するために（選択肢が多いから），その難易度が高くなればなるほど併願校の数が増える傾向にありますことを知っておいてください。我々がかつて経験してきた「公立＋私立安全校」という合計2校のパターンも一般的ですが，第２位の③で紹介した理由を重ねて，「公立校＋私国立難関校＋私立安全校」という併願パターンも無視することはできません。ここで，ある塾の調査結果を紹介します。

埼玉県公立トップ校受験生の私国立併願校数

　併願先として紹介した学校はほんの一部ですが，埼玉の私立高校では「最大で3回まで受験可能」な日程を組んでいるところも少なくありません。どうしてもその学校に入学したい，ということであればその学校に3回分出願をすると，自動的に「3校」とカウントされることも知っておきましょう。（おわり）

教育クリエイター 秋田洋和