文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
口で言ってもダメなら、目で語るしかない!!
うちの大学生男子に、どうしても改めてもらいたい件がひとつ。似合わないのに、無精ひげを生やすのはやめてくれたまえ。校則が厳しかった高校を卒業し、開放的な気分になるのもわかる。だが、無精ひげが、カビのよう。梅雨時で、顔にカビが?
きれいに剃るよう、何度か注意したが、剃らない。ならば、「無言の抵抗」を試みるしかあるまい。
息子が話し掛けても、黙ってじっとひげを見る。「お母さん、お母さん」と呼ばれても答えない。そして、「そんな顔の子は知らないよ」とひと言。
「息子の顔を忘れちゃったの?」と言われても、知らんぷり。
そして、息子の小さい頃の写真をなでる。「あの頃は可愛かった」という無言のメッセージ。
ここまでやると、母親のことが面倒くさくて、反抗しているのもバカらしくなるのだろう。要求を吞んでくれた。
この手が、どれくらい使えるのかわからないが、また試みるつもりだ。
檀 ままこ
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