文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
職場のひとに、呑みに連れて行って貰った。二十年以上も前のこと。
みんなから『おばちゃん』と呼ばれる親しみやすいひとだった。
スナックでおしゃべりしながら呑んだ。
未婚のわたしに、おばちゃんは結婚について話してくれる。
「おばちゃんは、結婚前、大好きなひとがいたんだけど、一緒にいると緊張しすぎちゃって、トイレに行くのも恥ずかしかった。だから、他のひとと結婚したの」
— 大好きなひとより緊張しないひとを選ぶの?よくわからないな。
スナックには、おばちゃんの友達が来ていて、紹介された。
「○○さんよ。介護で大変だから、ここに来るの。」
— 介護で大変なのに、ここに来ていて大丈夫なの?
○○さんは、わたしが歌った曲を気に入って、いい歌ねとしみじみ言った。横顔に店内の様々なライトがうつって綺麗だった。
好きすぎるから、他のひとと結婚する。介護で大変だからスナックに行く。
その頃わからなかったけど、いまはわかる。
わたしはあの頃と変わらず、心が弱っちい。だから、強く生きよう。強く生きてやる!
檀 まま子
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR