トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 中国が覇権を握ったあとの世界はどうなるか
外交評論家 加瀬英明 論集
アメリカが殻のなかに閉じこもっているうちに、世界が流動的になってゆこう。
そのために、私たちはアメリカだけを、見ているわけにはゆかない。
これからは、世界の主要なプレイヤーとなる諸国の動きに、目をこらしてゆかなければならない。地球儀を俯瞰しなければならないのだ。
これからは、中国とインドがアジアの将来に、大きな影響を及ぼしてゆくこととなろう。
私は中国の現体制が長く存続することは、ないとみている。中国の現体制が崩壊する時に、アジアが大きく揺さぶられることになろう。
私はこれからインドが大きく発展して、中国と入れ替わって、アジアの巨人経済になると思う。中国はきわめて脆弱な一党独裁体制のもとに置かれているが、対照的にインドは民主法治国家である。
中国は先進諸国の企業の下請けとして、安価な消費財を製造することによって、経済が大きく発展してきたが、独自な科学技術に見るべきものがない。
それに対して、インドには学問の自由があり、先進諸国とソフトウェアの分野で、肩を並べている。
9月に、インドはわずか7000万ドル(70億円)の予算で、独自のテクノロジーによって、衛星を火星の周回軌道に乗せるのに成功した。
インドは人口規模で、中国をほどなく上回ることになる。中国は人口の高齢化が急速に進んでいるが、インドは人口の半分が、30歳以下だ。
まず、中国を取り上げたい。中国はいったい、どのような国なのだろうか?
いま、日本だけでなく、世界にとってもっとも大きなクエッションマークは、いったい、これから中国がどうなるのか、ということだ。
中国がこのままさかんな経済発展を続けてゆけば、2、30年以内にアメリカと並び、その後、アメリカを追い越して、世界で最大で最強の国となるという、予想がある。
中国は2010年に、日本をGDP―経済規模で追い抜いて、世界第二位の経済になった。
アメリカの学者のなかには、キリスト教暦のBCと、ADの意味が変わることになると言い出す者まで、現われた。
紀元前のBCは、「Before Christ」(ビフォア・クライスト、クライストはキリスト)であって、キリストの生誕以前という意味だ。
紀元後のADは、ラテン語の「Anno Domini」(アノ・ドミニ)だが、英語では「After Day」(アフター・デイ、キリストが降臨したあと)という。
中国が、世界の覇権をにぎると、BCは「Before China」(ビフォア・チャイナ)を意味するようになるというのだ。
すると、中国が覇権をにぎった後の「After Day」は、どうなるのか?中国は、大きな謎なのだ。
アメリカはいつまで超大国でいられるか 第7章中国、インド、ロシアは、アメリカを超えられるか
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