トップページ ≫ 社会 ≫ 教育 ≫ 高校受験生の保護者が知っておくべき「通知表評定」の裏事情~後編
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〇評定格差は高校入試にどのような影響を与えているか
皆様の中にも,かつて「内申点で一喜一憂した」という方がいらっしゃることでしょう。公立高校入試では一般入試・推薦入試を問わず合否に影響を及ぼしますし,私立高校の推薦入試では「中3・2学期の5段階評定が20以上」といった受験資格が明記されているところも少なくありません。また私立の中には一般入試の出願資格の中に「評定に2もしくは1がないこと」を明記しているところもあり,評定が基準に達していないと出願すらできないケースも少なくありませんから,前述のような厳しい評定のつけ方をされる中学校に通っている場合などは,受験校の選び方そのものに影響がでることも想定しなければなりません。
次に,「評定の学校間格差」によって受験生が背負うハンディを具体的に紹介していきます。埼玉県公立高校の一般入試では,「第一次選抜」「第二次選抜」の違い,各学校が定める「学力検査:調査書得点の比率」によって計算方法が異なりますが,大まかな目安として,中3の内申「1点」を学力検査で挽回するために必要な得点は2点と考えるとわかりやすいでしょう。さいたま市のR中学とS中学で同じ学力の生徒がいると仮定し,国数英ともに「R中学の生徒は5」「S中学の生徒は4」という評定が中3時に与えられたとすれば,S中学の生徒は筆記試験でおよそ6点多く得点しなければならないことになります。埼玉においてはこれが杞憂であることを願いたいのですが,情報が公開されていない以上保護者としては「評定の学校間格差はある」という前提で,入試本番での得点に1点でもこだわる姿勢を,早い段階から親子で確認しておきましょう。
そこでは繰り返しになりますが,『通知表の「3」は普通の成績』という概念を捨ててください。
通知表が「3」に「4」がチラホラ,という場合には,生徒も保護者も『真ん中より少し上くらい』『自分は出来るほうだ』と自分の位置を想像するものです。その前提で中3の秋まで過ごし,学校の実力テストや北辰テストを受け始めて,予想以上に悪い成績に衝撃を受ける受験生はけっして少なくありません。前述のような「評定が甘めにつけられている」学校にお通いの場合なら,「評定は5なのに,模試を受けたら偏差値が50前後だった」ということだって不思議なことではありません。
中3生に限らず,中2・中1,そして公立中学への進学を予定されているお子様がいらっしゃる御家庭では,「通知表の評定との正しい付き合い方」に注意し,定期的に模試を受けるなどして情報収集を継続されることをお勧めします。(おわり)
教育クリエイター 秋田洋和
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