トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 成長が期待されるインド
外交評論家 加瀬英明 論集
それでは、インドを取り上げたい。
2014年5月に、人口12億5000万人のインドで総選挙が行なわれ、63歳のナレンドラ・モディ氏が率いる、インド人民党(BJP)が圧勝した。
BJPは、543議席の下院の282議席を制し、2009年から政権を握っていた国民会議は、206から44に議席を減らして、惨敗した。
インドが1947年に独立してから、最大の政治異変である。
それまで、モディ新首相はアラビア海に面する郷里のグジャラート州首相をつとめて、州の経済を大きく発展させた。
モディ首相は就任演説のなかで、「21世紀を、”インドの世紀“にする」と、公約した。
モディ政権の登場は、日本とアジアに明るい展望をひらくものだ。
インドと中国は30年前に、ともに国民一人当たりの所得が300米ドルで、並んでいた。
ところが、中国が目覚ましい経済発展をとげて、6700ドルを超したのに対して、インドはその4分の1に、とどまっている。
インドの経済成長率は、10年前に10%に達していたが、このところ4.5%から5%に落ち込み、9%を超える高いインフレが進んで、庶民生活を圧迫している。
モディ首相は財政を立て直し、大きく遅れたインフラを整備するかたわら、硬直しきった官僚主義によって病んできたインド経済を、錯綜している行政機構を合理化することで、大胆な経済改革を断行することが期待されている。
モディ新内閣をみると、国民会議の前内閣が79人の閣僚を抱えていたのに対して、45人に減らしている。それでも、なかに鉄道相、道路交通相、民間航空相と、国内交通について3人、農業、食品加工業、食品流通と農業関連の重なっている分野に、3人の閣僚がいるように、省庁が重複している。
私は80年代からインドに通って、政府に厚遇されるようになった。
当時、日本で学ぶインド人留学生は、100人に満たなかった。私は有志の協力を得て、ネール大学の支援を受けて、ニューデリーに、高校生向けに日本語を無料で教える学校を開設した。そして、成績のよい生徒を、日本側が全額負担して、日本の4年制大学に留学させ、卒業させた。
アメリカはいつまで超大国でいられるか 第7章中国、インド、ロシアは、アメリカを超えられるか
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