文芸広場
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書棚を見るとそのひとの興味関心やうっすらと性格もわかる。だから、書棚を見せてもらう時は、許可を得ることにしている。
昨日、スーパーの袋を提げて歩く青年の側を自転車で通り過ぎた時、袋の中身を何となく見た。書棚と同じように、スーパー袋からはうっすらと生活が見える。青年の提げる袋には1リットル入りの豆乳が3本入っていた。買い物は豆乳のみ。なんてシンプルなんだ。しかも牛乳でなく豆乳とは、ヘルシー志向がうかがえる。わたしはスーパーに行くと、つい目的のもの以外もカゴに入れてしまうが、この青年は一種類のみ。偉いぞ。きっと無駄遣いなどせず、お金の使い方も上手に違いない。そして、徒歩で買い物に行っている様子も高感度大。
常日頃から、自分の欲しいものがはっきりしているひとに対して好感をもつ傾向にある。以前、ハンバーガーショップで、同じ種類のハンバーガーをふたつ注文しているひとを目にして、軽く衝撃を受けた。その注文主は一緒にいたひとから「なんで同じのをふたつ頼むの?」と突っ込まれて、笑顔で「だって、このバーガーが好きなんだもん」と答えていた。そのことばを聞いて、「負けた」と思った。わたしにはない発想だし、その潔さに脱帽した。いつかそんな注文をしたいと思ったが、まだしたことがない。
「わたしはこれ!」
そんな潔いひとに、わたしはなりたい。
檀 ままこ
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