トップページ ≫ 社会 ≫ 船村徹の文化勲章を後押しする昭和歌謡人気
社会
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テレビのどのチャンネルも見飽きた顔ぶれと同じような内容(私にはそう見える)のバラエティー番組でうんざりする時は、BSのほうに切り換えてみる。一昔前のドラマや時代劇の再放送とか健康食品や通販のCMが多いBS放送だが、夜の時間帯では最近になって、ある傾向が顕著だ。いわゆる懐メロ、特に昭和歌謡を特集した番組を毎晩どこかのチャンネルでやっている。地上波の若者向け番組にはなじめない人たち、なかでも人口分布において最多の団塊の世代を中心にした中高年層向けであることは明らかだ。健康関連のCMの対象とも重なる。
地上波だけの時代では懐メロはテレビ東京(その前身を含めて)の専売特許みたいだったが、BSではNHKも民放各局も昭和歌謡に積極的に取り組んでいる。亡くなったり、現役引退している歌手が多いので、昔の歌謡番組の映像を流す、あるいは別の歌手に歌わせるというのが基本パターンだが、各局ともそれに甘んじてはいない。クラシック音楽の歌手や合唱団にその歌唱法で歌わせるというのもある。歌唱法が違うと、同じ歌でも違う響きがあり、かえって新鮮に感じる。また、曲の作詞者、作曲者、歌手に関する隠されたエピソードを紹介し、ヒット曲誕生物語のような構成にしている番組もある。
今年の文化勲章受賞者になった作曲家・船村徹氏が歌手・美空ひばりに提供した数々の曲をめぐる物語も、受賞決定前にBS朝日で放送された。この人が登場して訥訥とつとつと語り始めると、演歌の世界にスーッと入って行けるような独得の味わいがある。作詞者についても、大衆心理をつかむ決定的な言葉を生み出すため、各人各様の工夫、努力などの創作秘話は興味深い。
これから冬に向かい、オフシーズン入りでスポーツ中継が少なくなる分、BSでの昭和歌謡番組のウエイトは増すだろう。視聴者に飽きられないよう、さらなる進化を期待したい。
山田 洋
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