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「2016 E-KIZUNA サミットプレミアムinさいたま」から見えるさいたま市の未来像
2016年11月05日
さいたま市は、持続可能な低炭素化社会をめざして、平成21(2009)年から電気自動車普及施策「E-KIZUNA Project」を展開している。電気自動車普及拡大の課題解決のためのプロジェクトだ。その一環として、電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などの次世代自動車の普及に取り組む自治体や企業などと市民との”絆“を結び、広域的な都市間ネットワーク構築を目的に、「E-KIZUNAサミット」を平成22(2010)年より開催している。7回目となった「2016 E-KIZUNA サミットプレミアムinさいたま」が、平成28(2016)年11月1日(火)に、さいたま新都心にあるホテルブリランテ武蔵野で開催された。
2県18市の参加からスタートしたサミット。第7回を迎えた今年は4県25市16社6団体が参加し、点から線、線から面へとネットワークが拡がり、さいたま市から全国へと多元的な連携が、回を重ねるごとに構築されていっている。自治体や企業の首脳が集まり、それぞれの政策・取組の発表をする、貴重な意見交換の場。サミットが始まったころは、EVやPHV、急速充電器はほとんど見られなかったが、平成23(2011年)3月11日に起きた東日本大震災により、災害時の面からも次世代自動車の普及の重要性を認識し、各自治体や企業の努力により、普及が急激に加速した。これもサミット開催を続け、連携を強めてきた成果だろう。
トラック・バスといった事業用自動車の次世代自動車の普及促進を早急に図ることや、地域交通のゼロエミッション(資源循環型社会形成)化を図る、交通ニーズや地域住民のニーズに合わせたカタチでのサービス展開を進める、地域交通グリーン化事業、共同住宅への充電器設置の取り組みなどの課題が示された。これらの課題は、国や企業の取り組みや日々進歩する低炭素化技術から、近い将来達成することは間違いない。
さいたま市と協定締結を結んでいる企業の中で、日産自動車は、全国の自治体に電気自動車e-NV200を3年間無料貸与し、活用事例を積み上げ普及をめざす、「電気自動車活用例創発事業」の取り組み。本田技研工業は、技術の進化によってモノ同士のつながりが生まれ、大きく変わっていく「生活」。知性を活かし、先を見通し、備えて暮らすことは、生活の楽しさや安心があり、無駄のない、豊かな暮らしになると、未来の「スマートな生活」をホンダらしい表現で提示。また、今年3月に協定締結したばかりの三井のリパークは、発電、蓄電設備により、停電時も駐車場が機能し、路上駐車をなくして、緊急車両等の交通を確保する、「災害対策駐車場PROJECT」の取り組みと、それぞれの持つ企業特徴を活かした取り組みを行なっている。さいたま市の取り組みは、レジリエンス(災害時の回復力)強化に向けてE-KIZUNA Projectを基に、今よりもさらに安心安全で快適便利な都市をめざしている。
今回、国際見本市を主催するリードエグジビションジャパンが参加していたが、「国際見本市がEV・FCV、スマートエネルギーの普及を促進させる」と述べていた。さいたま市は、大宮駅西口の再開発でホテル誘致を進めているが、ここにコンベンションセンターも併設されると聞く。さいたま市長の清水勇人氏は、将来的にこのコンベンションセンターで、国際見本市や海外からも招いてのE-KIZUNAサミット開催を考えているのではないかと想像する。
埼玉県では水素社会実現に向けて、埼玉県燃料電池自動車・水素ステーション普及構想を策定し、水素ステーションの整備を進め、さいたま市内ではすでに4か所で商用のステーションがオープンしている。また、さいたま市内にLRT(次世代型路面電車)を走らせる構想もある。もしかしたら、水素燃料電池で走る路面電車ということもあるかもしれない。
首都圏の住みたい街で「大宮」が「品川」と並んで5位になったとの調査結果が出ていた。マンション販売会社「長谷工アーベスト」が行なった、首都圏1都3県の「住みたい街(駅)ランキング」の調査結果だ。県内最大のターミナル駅の大宮駅。西口、東口共に再開発の計画が持ち上がっているが、交通の利便性の良さのほかに、駅前がより良く変わるのではとの期待感もあるのだろう。
開発次第では、さいたま市自体が低炭素化社会の手本を示す街への発展の可能性も考えられる。E-KIZUNA サミットを通じて、地域にあった環境保全や防災計画の街づくりを全国に提案していけるようになるのが理想だろう。現時点から、未来像はいくらでも想像できるが、不可能ではないはずだ。
岡 アヤコ
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