地域情報
埼玉県内で予定されている各種イベントや地元の人や情報をあますとこなく紹介。
飯能は、山地、丘陵地と河川といった自然がもたらす緑と清流によって、人々の暮らしや文化・歴史、産業が発展してきた。古くは林業や織物業、今では全く生産されなくなった紙漉きでも栄えていたまちだ。こうした産業は、商業の発展をもたらし、名栗や飯能の山間部と平地部の交易が盛んに行われた。また、飯能は花街で栄えたまちとして有名だ。昼と夜とでは全く違う表情を魅せたまちだったことだろう。飯能駅から川沿いと山間部にかけて栄えた場所は、数多くの路地が残り、昔の面影を見ることができる。今なお残る、路地のまち。
時代の変化と共に発展した商業や経済が衰退し、素晴らしい自然や歴史は残っていても、華やかだった街並みは、空き店舗や路地の閉鎖などでさびしくなり、文化も過去のものとなりつつある。飯能市は「森林文化都市」を掲げ、街づくりに取り組んでいる。しかし、山間部の観光スポットは有名だが、観光スポットの玄関口となる飯能駅前周辺はどうだろうか。街なかを元気にしよう、地域コミュニティを活性化しようと路地を活用した取り組みをしているが、実際には空き地が目立ち、全体的にさびしさが拭えない。
年に一度開催されている「全国路地サミット」が、10月に飯能で開催された。何気ない路地が意味を持つことに気づかされた人も多かったことだろう。飯能駅を出ると、街の向こうに広い空と奥武蔵の山々が広がっている。解放感ある眺めは、心が和む。通りを横に入ると小路や路地があり、人々の日常が広がっている。ところどころに歴史ある建物が残り、歩くと楽しい。が、駅前のだだっ広い駐車場や空き地、空き店舗など、見えてしまうと目について仕方がない。
路地は山の都、飯能になくてはならないのだ。そしてそれが、「飯能らしさ、飯能ならでは」なのではないだろうか。今あるもの、今なお続くものを最大限活用しつつも、求められているもの、取り入れるべきものを取り入れて、ふたたび飯能の繁栄を。誰もが訪れたい、暮らしたいと思う仕掛けを飯能市が大胆に作り出したら、市民は喜んでついていくはずだ。訪れるとわかるが、飯能市民の地元愛をひしひしと感じるし、飯能の魅力はあちこちに散らばっているのだから。
岡 アヤコ
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